2009年は、作家の松本清張の生誕100年にあたる。松本清張は、「点と線」などの社会派推理小説や流行語ともなったノンフィクション「日本の黒い霧」など幅広いジャンルで精力的に著作活動を続けた作家だ。92年に82歳でこの世を去ったが、彼の作品は今でも読み継がれ、またしばしばテレビドラマ化されている。
「1909年生まれの作家たち」チラシ |
この「生誕100年」を記念して、福岡県北九州市の松本清張記念館では清張生誕100年記念特別企画展「1909年生まれの作家たち」を11日から開催する。清張が生まれた1909年に同じくこの世に生を受けた偉大な作家たち--大岡昇平、中島敦、太宰治、埴谷雄高--らに焦点を当てる企画展だ。同じ年に生まれながらも活躍時期も作品の持つ色合いも互いに異なっている作家たちを時間軸で並べ、それによって共有した時代を見つめるという。
今回の企画展では、大岡昇平「成吉思汗の秘密-常識的文学論(3)-」や埴谷雄高「死霊」の巻頭言、さらに太宰治「人間失格」および松本清張「渡された場面」といった著名な作品の原稿が展示されるほか、中島敦による自画像など1909年生まれの作家たちゆかりの貴重な資料が出展される。
清張生誕100年記念特別企画展「1909年生まれの作家たち」は8月31日まで。観覧料は一般500円。