「メガネ」に「スーツ」。

サラリーマンのマストアイテムであるこの二つが、いま巷のナウでヤングな女子たちにバカウケと聞いて、僕は奮い立ちました! 苦節28年……今こそ人生で三度訪れるというモテ期の一回目を、自ら手繰り寄せる時!

……しかしそのためには致命的な欠陥があったのです。

それは、僕がメガネとスーツが絶望的に似合わないということ。着てるのに! 日常的に着てるのに! ゲイナーとかこっそり読んでみたりしてるのに!

そんな折、都内に「メガネスーツカフェ」なるコンセプトカフェがあると聞きまして、これは行くしかないな、と。メガネスーツの極意を盗むしかないな、と。

とまあそんなセコい考えを抱きつつ、情報元であるコンセプトカフェマニアのアシスタントを引き連れて訪れたのは、池袋の路地に佇む「ラブオール」。

"佇む"と書きましたが、お店はビルの地下一階にあり、目印といえば階段の脇に置かれた小さな黒板のみ……。

ポツンと黒板が置かれてあるのみ

隠れ家っぽくてカッコいい! ……とフォローしたいところですが、これは何も知らずに通りかかったら普通にスルーしてしまいそうです。というか訪問が薄暗い夕方だったこともあってか、実際2回ほど通り過ぎてしまいました。

これから行ってみようと思っている方は、地図と照らし合わせながら、目を凝らして探してみてくださいね。

さて、そんなラブオールですが、店内に入ってみるとすでにお客さんでいっぱいになっていました。

お店のロゴ。よく見るとメガネとスーツを模しているシャレたデザインです

迎えてくれたのはメガネにスーツの男性スタッフ。当たり前ですが僕と違って両方ともビシッと着こなしています。嫉妬するわー……あ、いや、なんでもないです。

店内は暖色系の照明でムードたっぷり

……さて、ラブオールはコンセプトカフェなので、オリジナルの設定を持っています。

世界に支社を持つ有名香料会社ラブオールの敷地内に、社員の憩いの場として作られたカフェ、ラブオール。カフェでは入社したばかりの研修中社員、新人を指導する立場にある社員など、幅広い年代のスタッフが勤務しています。

――という設定ですが、実際にラブオールを運営している会社もラブオールなので、コンセプトカフェと言いつつも、完全にフィクションとは言い切れない面もあり、面白いですね。

お客さんは自分の設定を決めた後、社員証を作ります。かなりそれっぽい

次項、驚きのシステムと意外(!)なアレの味…続きを読む