日本医師会総合政策研究機構(日医総研)はこのほど、昨年7月に実施した「日本の医療に関する意識調査」の集計結果を発表した。同調査は全国の20歳以上の一般国民と全国の医療施設の外来患者、および医師会所属の医師の3者を対象に2002年から実施しているもので、今回が3回目となる。

調査によると、79.7%の国民が受けた医療に対して満足(やや満足もしくは満足)と回答し、日本の医療全般(医療制度)に対しては50.9%が満足と回答。外来患者の場合は87.5%が受けた医療には満足していたが、医療全般への満足度は前回の64.2%から54.6%へと落ち込んだ。

自身が受けた医療に「不満」と答えた国民にその理由を尋ねたところ、「待ち時間」、「治療費」、「医師の説明」が上位3項目を占めた。

また、日本の医療全般(医療制度)を「不満」とした国民および外来患者はその理由を「国民の医療費負担」、「医師不足を含めた医師の体制」、「待ち時間を含めた利便性」、「医療費抑制政策」などと回答。さらに国民と患者の約9割が「医療に関して不安に感じること」として「大病になったときの医療費」を挙げており、これらの結果から、医療費への不満や不安は国民と患者の両方に定着していることがわかる。

「日本の医療に満足していない理由(国民)」

「日本の医療に満足していない理由(患者)」

「不安に感じること(国民)」

また、医師の側では84.1%が日本の医療全般を「不満」と回答。その理由として「国全体の医療費抑制政策」、「医師の体制」、「国民の医療費負担の高さ」を挙げており、医療を受ける側のみならず携わる側も医療費の問題には不満を抱いているという実態が明らかになった。

「日本の医療全般について不満と感じる理由(医師)」