AMDは、コードネーム「Yukon」と呼ばれていた超薄型ノートブックPC向けプラットフォームを正式に発表、その中核をなすプロセッサとして「AMD Athlon Neo Processor for Ultrathin Notebooks」(以下Athlon Neo)を発表した。実質的に、Intel Atomプロセッサや、VIA Technologies Nanoプロセッサに対抗する製品と目されている。
Athlon Neoは、現時点で「Athlon Neo MV-40」1製品が発表されている。Athlon Neo MV-40はシングルコアの製品であり、動作クロックが1600MHz、512KBのL2キャッシュを搭載し、消費電力値は15W、65nm SOIプロセスで製造される。プロセッサパッケージは27×27mm、高さが2.5mmとなり、より小さく薄いノートブックに対応可能。そのほかPowerNow!による電圧および動作クロックの可変にも対応している。ソケット形状は新形状の「ASB1」が採用される。
また、Athlon Neoの廉価版とみられる「AMD Sempron Processor for Ultrathin Notebooks」も「200U」「210U」の2製品が公開されている。こちらはL2キャッシュをAthlon Neoの半分となる256KBに削減し、動作クロックは200Uが1000MHz、210Uが1500MHz、消費電力値は210Uが15W、200Uはさらに少ない8Wとされている。ソケット形状は200UがASB1、210Uは従来のAMDノートブック向けCPU同様のソケットS1とされている。
チップセットは「AMD M690E」が利用される。AMD M690Eという同名のチップセットは既に組み込み向け製品で採用例がある。AMD M690EにはDirectX 9.0対応のグラフィックス機能「ATI Radeon Xpress 1250」が統合されているほか、オプションとしてより高性能な外部GPU「ATI Mobility Radeon HD 3410」も組合せ可能とされる。Mobility Radeon HD 3410を利用することで、3D性能が高まるほか、DVI、HDMIといったディスプレイ出力も可能とのことだ。AMDではこれら製品の組合せにより「真のHDエンターテインメントを実現する」と述べている。
同時に、Athlon Neoを搭載する初の製品として、HPから「HP Pavilion dv2」が登場すると発表されている。HP Pavilion dv2のスペックは、12.1インチディスプレイを搭載し、厚さ1インチ未満、重さ1.8kg未満というもの。