NECは5日、日英/英日双方向の組み込み機器向け旅行会話自動通訳ソフトを開発。試験搭載した携帯電話機において高速・高精度な動作を実現したと発表した。同通訳ソフトは、外部サーバなどによる処理が不要なため、通信環境に依存せず携帯電話単体での動作が可能となっている。

携帯電話での翻訳表示例

今回発表された技術は、NECが従来から開発を進めてきた「コンパクト・スケーラブル音声認識エンジン」と「語彙規則型機械翻訳エンジン」をより高度化することで実現。耐雑音音声認識技術や同社独自の音声認識手法により、特にコンパクトなマシンリソースでの音声認識性能を向上したほか、使用するマシンリソースを増やすことなく語彙や表現能力を向上させ、CPUや消費電力などの制約で搭載が難しかった携帯電話機での動作を実現したという。

英日の翻訳を行う場合は、「英語で発話→テキストで画面に表示→翻訳実行→結果を日本語で表示」という手順になる。日英/英日とも同一の音声認識エンジンと機械翻訳エンジンを使用しているため、辞書リソースを切り替えるだけで双方向に利用することが可能だ。

具体的な商品化については「時期・通信事業社(キャリア)も含め、検討中」(同社広報部)。同社は今後、音声認識・言語処理技術のさらなる強化を図り、自動通訳技術・コミュニケーション支援技術の研究開発を進めるとしている。