株やFX、投資信託などの金融商品に投資をしている人に限らず、高額の医療費を支払った人、マイホーム購入のために住宅ローンを組んだ人にも関係の深い確定申告。しかし、その書類を作成するのは意外と時間がかかってしまうもの。さらに、領収書や書類などを準備し、申告書を税務署へ提出するなどの時間は、忙しいサラリーマンにとってかなり厳しいものだろう。

そんな手間を少しでも省きながら、今年こそは確定申告を! と、考えている場合には、ぜひ「e-Tax」を利用してもらいたい。このシステムは、簡単に言うと「インターネットを利用しての申告、申請、届出等」を可能にしたもの。申告書そのものは国税庁のサイト内にある「確定申告書等作成コーナー」を利用して作成しなければならないが、自宅やオフィスなどから税務署が閉まっている時間でも申告、納税することができるのだ。

e-Taxのサイト

とはいえ、誰でもすぐに始められるものではないので注意したいところ。まずはパソコンの環境を整えておく必要がある。詳細や新しい情報などは、国税庁のe-Taxのページ内にある「e-Taxで確定申告」を参照してもらいたいが、Windowsならば2000以上、MacならばOS10.4以上である必要があり、ブラウザはInternetExplorer6(Windows Vistaを除く)もしくはSafari3をインストールしておこう。また、PDFを閲覧できるようにAdobeReader8以上をインストールしておく必要もある。

e-Taxで確定申告

次に、住民票のある市町村の窓口で住民基本台帳カード(ICカード)を入手。さらに、電子証明書発行申請書などを提出して、電子証明書(ICカード)の発行を受ける必要がある。ともに1000円程度の手数料がかかる。また、申請時には「住民基本台帳カード交付申請書」や「電子証明書発行申請書」を窓口で記入するほか。写真入りの住民基本台帳カードにする場合には写真、運転免許証などの本人確認書類、印鑑も必要になるので忘れないようにしよう。また、これらのカードを読み取るために「ICカードリーダライタ」を購入(約3000円~)しておく必要がある。これに関しては「公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会」のサイトを参照するといいだろう。

公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会

最後に、ICカードリーダライタのドライバをインストールし、さらにe-Taxソフト、源泉徴収票等作成ソフトをe-Taxのサイトからインストールすれば事前準備は完了となる。準備が整ったら、e-Taxのサイト上で開始届出書を提出。続いて利用者識別番号等を取得(書面でも可能)後にソフトを起動して初期登録を済ませよう。あとは「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、作成データを送付するだけとなる。送付後は、受付結果(受信通知)を確認することができるので、このチェックも忘れないようにしたいところ。

国税庁「確定申告書等作成コーナー」

ここまでがe-Taxを利用する手順となるが、インターネットを使い慣れている人ならば、実際にはそれほど面倒な作業はない。また、毎年確定申告を行う人であるならば、事前準備を済ませておくだけで、来年以降はより簡単に確定申告を行うことができるようになるだろう。それに加え、2008年分の申告までは、e-Taxを利用することにより最高5000円の所得税控除を受けることができるというメリットもある。これらのメリットを最大限に活かすためにも、年末年始のこの時期に、e-Taxによる確定申告の準備を進めてみてはいかがだろうか。