永遠に続くミュージックダンス時計「UNIQLOCK」登場

「UNIQLO MIXPLAY」が完成したとき田中氏は、YouTube上での展開だけでは広告として弱いと考えていた。そこで、「UNIQLO MIXPLAY」の映像を人々がどこから見にきているのか検証していったという。

「YouTube映像にどこからリンクされてきたのかを、昔は見ることができたんです。そこで「UNIQLO MIXPLAY」が広がっていくメディアを調べてみるとブログだったんです。特に海外のYouTube映像を掲載しているブログから、広がっていました。そこから多くのアクセスがきていて、ブログを観て色々な人がコメントを書き込んでいくという状況でした。次にどうしたらいいかを考えたときに今度はYouTubeではなくてユニクロらしい表現をブログでできないかと思いました。なぜなら一番情報が広がるのはブログであったからです」

「UNIQLOCK」のクリエイティブ・ディレクターである田中氏の講演を聴こうと多くの人で会場は埋め尽くされていた

次にブログのなかで、どうしたら更新頻度の高い記事を書くエリアでなく、更新頻度の少ないエリアであるサイドバーに、ユニクロのWebコンテンツを入れられるかを考えていったという。

「ブログには、記事を書く場所とサイドバーがありますよね。ブログにずっと存在するためには、サイドバーにある必然性がないとダメだと考えました。そこで、さまざまなブログに入るサイドバーのサイズを調べたんです。そしたらかなりサイズが小さかった。そんななかで時計というモチーフが出てきました。時計自体はわりとポピュラーな表現なんです。なぜなら時計は機能を含んだ表現ですから。ブログにマッチするということです」

田中氏は、これまでに出てきた「ブログ」、「時計」、「音」、「ダンス」といった要素をどのようにしてひとつの表現にまとめていったのであろうか。

「時計と音にシンクロしたダンス映像を考えたときに秒のリズムが出てきたんです。『永遠に続くミュージックダンス時計』と言葉にしてみました。一方ブログのサイドバーにずっと置くと仮定して、それが広告なら24時間365日ずっとUNIQLOの服をプレゼンテーションできます。そういう意味で広告として凄く意味があるものになると考えました。そのときに『UNIQLOCK』という単語が出てきたんです。UNIQLOCKという言葉が出てきたときに凄く抜けた感じがしました。バラバラになっていたものがひとつにバンドルされた感じがしましたね」

現在公開中のUNIQLOCK第4弾の画面