映画『ミーアキャット』の吹き替え版完成披露試写会が、都内で催された。イベントには、吹き替え版のナレーションを担当した三谷幸喜が参加したほか、高橋ジョージ、三船美佳の二人も応援に駆けつけた。
『ミーアキャット』は、日本でも大ヒットした『アース』『ディープ・ブルー』に続き、BBCが贈る感動のネイチャードキュメンタリー。舞台はアフリカ南部に広がるカラハリ砂漠。過酷な環境を懸命に生きるミーアキャットたちの豊かな表情や家族の絆、成長の軌跡を余すところなく描いている。英語版のナレーターは、先日惜しまれつつも他界した名優ポール・ニューマンが務める。
会場に最初に現れたのは、本作でナレーションに初挑戦する三谷幸喜。総勢1,000人以上の観客がミーアキャットの写真を振って出迎えると、「あぁ…、ちょっと気持ち悪い、こんなたくさんのミーアキャットが……」と登場早々に毒舌を吐き、会場は笑いで包まれた。
今回のオファーについて三谷は、「どうして僕に話が来たのか非常に不思議だった」とその心中を明かした。しかし、「何年もミーアキャットと一緒に暮らさないと撮れないようなシーンがいっぱい出てくる。そうやって苦労して作っている映画を最後の最後で僕が台無しにしたら非常に申し訳ないので、とっても真面目に、ひたむきにやらせていただきました」と、ナレーションに挑む姿勢は真摯そのものだ。
また、「映画を観ている最中、僕の顔が浮かぶと映画的にどうなんだろうと思った」と話す三谷は、「なるべく地味めに」ナレーションを務めたのだとか。その試みは上手くいったようだが、「たぶん観ている間じゅう、僕の声だということを思い出さないと思います。……ええ、それでいいんです」と、若干の寂しさも滲ませていた。
続いて、応援役の高橋ジョージ・三船美佳夫妻が登場すると、会場の雰囲気は一気に賑やかに。三谷による吹き替え版『ミーアキャット』を観たという二人に感想を求めると、高橋は「すっと映画の中に入っていくことができたので、すごく楽しく観られました」と三谷のナレーションを絶賛。三船も、「ナレーションにいい意味でまんまと乗せられてしまいまして、号泣してしまいました」と話し、作品の世界に引き込む三谷のナレーション技術を高く評価した。
本作のテーマの一つでもある"家族の絆"に、高橋・三船夫妻はいたく心を揺さぶられたようで、「ぜひご家族で観てほしい」と親族での鑑賞をPR。自身たちも「子供を連れて劇場に観にいきたい」と話した。一方、誰かと一緒に本作を観にいくかと尋ねられた三谷は、「うち、親戚付き合いあんまりしてないんですよね。話せば長くなりますけども……」と冗談で返し、最後まで会場を沸かせたていた。
映画『ミーアキャット』は、2009年1月10日(土)より、みゆき座他にて全国ロードショー。
Yaffle Films (Meerkats) Limited (c) 2007