Booksベストセラー週間総合ランキング12月12日~12月18日では、『ヘタリア(2)通常版・特装版』(日丸屋秀和)、『かいけつゾロリ(5)イシシ・ノシシ大ピンチ!』(原 ゆたか)、『毎日かあさん(5)黒潮家族編』(西原理恵子)、『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』(久保帯人 松原真琴ほか)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。
12月12日~12月18日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)
順位 | 書籍名(出版社) | 著者 |
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1位 | ヘタリア(2)通常版・特装版(幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売) | 日丸屋秀和 |
2位 | 「脳にいいこと」だけをやりなさい!(三笠書房) | マーシー・シャイモフ/茂木健一郎訳 |
3位 | かいけつゾロリ(5)イシシ・ノシシ大ピンチ!(ポプラ社) | 原 ゆたか |
4位 | 毎日かあさん(5)黒潮家族編(毎日新聞社) | 西原理恵子 |
5位 | O型自分の説明書(文芸社) | Jamais Jamais |
6位 | 流星の絆(講談社) | 東野圭吾 |
7位 | B型自分の説明書(文芸社) | Jamais Jamais |
8位 | 劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ(集英社) | 久保帯人 松原真琴ほか |
9位 | A型自分の説明書(文芸社) | Jamais Jamais |
10位 | 悩む力(集英社) | 姜 尚中 |
新登場で1位に入った『ヘタリア(2)通常版・特装版』(日丸屋秀和)は、Webサイト「キタユメ」に掲載中の漫画の書籍化第2弾。タイトルにある「ヘタリア」とは「ヘタレなイタリア」の意。歴史を通じて見事なヘタレっぷりを発揮してきたイタリアをはじめ様々な国々を擬人化し、それぞれの国民性や歴史・ネタ的な伝説を特徴豊かに描いている。
新登場3位の『かいけつゾロリ(5)イシシ・ノシシ大ピンチ!』(原 ゆたか)は、人気児童書シリーズ最新刊。キツネのゾロリが行く先々で活躍する物語。
新登場4位に入ったのは『毎日かあさん(5)黒潮家族編』(西原理恵子)。毎日新聞紙面で毎週日曜日に連載されているギャグ漫画を単行本化したもの。作者の家族の日常を題材に、ギャグの形をとりつつも家族の大切さや温かさを教えてくれるような作品だ。
新登場8位の『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』(久保帯人 松原真琴ほか)は、漫画を原作とした劇場版アニメのノベライズ本。原作となった漫画は、週刊少年ジャンプで久保帯人によって連載中。死神の力を手に入れた高校生が、仲間たちとともに様々な敵に立ち向かうというストーリー。
今週の注目
日本全国河馬めぐり カバに会う(岩波書店/坪内稔典/1,600円(税別)
お菓子メーカーの「カバヤ」は、昭和27年から29年にかけてキャラメルの景品として絵本のプレゼントを行っていた。「カバヤ文庫」と称されたそれらの絵本は全部で159冊も発行され、当時の子どもたちに大変好評を博したという。
この「カバヤ文庫」が自らの読書の原点だというのが本書の筆者。退職を機に「どっしり、ゆっくり生きたい」との思いから日本全国のカバを訪ねる旅に出た。筆者が全国で確認したカバの数は約60頭。北海道から沖縄まで29カ所を巡り、それぞれの場所とカバについてのレポートをまとめたのがこの本だ。
カバはどの動物園にでも大抵いるが、主役でもなければ人気者でもない。どちらかというと端のほうでひっそりと生きている地味な存在である。筆者もあえてそれを否定せず、カバに特別にスポットライトを当てようとはしていない。全国29カ所での「カバレポート」はそれぞれの土地や人々について多く字数を割いており、カバはひとつの景色として描かれているにすぎない。だが、カバに対しての愛情を過剰に表現していないところに深い愛情が表れているのだと言えよう。
全体を通して、「日本全国のカバに会う」という一見何の役にも立たない目標と、その達成に精力を傾ける筆者の必死さとのギャップがなんとも言えないおかしみを醸し出している。優しい心に触れられる一冊だ。