月々の給与計算作業
まずは月々の給与計算の作業内容を具体的に見ていこう。
一般的な企業では概ね次のような作業が発生する。
- タイムカードの集計
- 支払金額の決定
- 社会保険料の算出
- 所得税の算出
- 住民税、その他控除金額の決定
- 差引支給額の算出
- 給与明細書、振込依頼書の作成
- 所得税、住民税の納付
- 給与台帳の作成
上記のとおり、ざっと挙げただけでも9項目にもなる。さらに、固定給与制でなければ、2つ目の「支払金額の決定」において、時間外手当や休日勤務手当、扶養家族手当、地域手当などの算出が必要になる。加えて、手当などの支給により毎月の給与が変動すれば社会保険料や所得税などの控除額も変わる。その算出過程は、規定の表を参照するなど、かなり煩雑になるという。
「例えば、給与の支給額を算出したら『源泉徴収税額表』と照らし合わせて源泉所得税の納税額を調べなければならない。その後、さらに扶養家族の人数に合わせて規定の額を減算する。これらを手作業で社員全員分やるとなると、効率が悪いだけでなく、ミスが発生しやすい」(田村氏)。
また、手作業の場合、これら9項目の間で随時発生する転記作業でも苦しめられることになる。あちこちを参照して確認しながら数字を写すとなると、それなりの時間と手間が必要になる。ミスの危険性も高まってしまう。