約25年にもわたるG-SHOCKユーザーの藤枝辰之さんは、愛知県豊橋市の造船所で、塗装部門の現場監督として活躍。そんな藤枝さんが体感してきた、G-SHOCKのタフネスぶりとは?

耐久性は、堅牢性か?

藤枝辰之さん。左腕には愛用中のG-SHOCK「MRG-120T-1A」

およそ25年前のこと。藤枝さんがG-SHOCKを選んだ理由は、「デザインと耐久性の高さです」と明快だ。続けて、「G-SHOCKの耐久性は、イコール堅牢性だと思っています。仕事では、MRG-120T-1AというMR-Gアナログの初期チタンモデルを使っています。このモデルは、リュウズが一般的な時計とは真逆に付いています」という。このため左手につけて作業するときに、手の甲側にリュウズが食い込んだりしないため、使いやすいそうだ。

「作業時の使いやすさで選んだっていうのもありますが、もともとG-SHOCKを集めていたというか、ついつい買ってしまったりしていましたね。ですから、自宅には未使用のものも多いんです。基本的にG-SHOCKはゴツイので、作業用には邪魔にならないレディス用のBaby-Gを使っていた頃もありました。

もうMRG-120T-1Aを使い始めて12年目です。傷だらけでボロボロで使い込んでいますよ。これを仕事で使うようになったのは、前使ってたG-SHOCKが壊れちゃったからですが」

G-SHOCKが壊れるとは、現場でのハードな使用によるものかと思いきや、「心臓部は壊れませんよ。多少ハードな使い方をしても、G-SHOCKは頑丈ですから。仕事が塗装の現場監督だから、シンナーとかの有機溶剤で樹脂ボディだとバンドとかが溶けちゃうんですよね。こればっかりはどうしようもない。で、ある程度の年数いくと、その機種のバンドなどがメーカー在庫からなくなっちゃって、修理できなくなっちゃうんです」

サラリーマンからの転身

MRG-120T-1Aを使い始めた12年前というと、藤枝さんが28才のころ。サラリーマンを辞めて、現在の塗装現場の仕事に就いてしばらく経ったころである。

「いまは造船所の塗装部門にいます。監督だから実際の作業自体はしないとはいえ細々とした作業はするから、ペンキもつきますね。現場で本当に作業する人間は時計をしないです。何を使ってもダメだから(笑)」

「MRG-120T-1A」(生産終了品)

藤枝さんが12年間使い続け、タフネスぶりを実証したアイテム。初代Gより、耐衝撃性能を受け継ぐフルメタルMR-G。アナログモデルと、クロスと皮のバンドバリエーションも加わり進化を遂げた。大人の風貌を、より濃くするチタンモデルのラインアップも充実。アナログモデルの耐衝撃構造で保守されたリュウズは、手の甲に当たらないよう左側へ配置されている

藤枝さん自身は、サラリーマン時代と時計の選び方に変化はないという。サラリーマン時代もG-SHOCKで、通常の樹脂製ボディを選んでいたそうだ。

「MRG-120T-1Aは、メタルボディの2世代目。そのころは、あまり時計に興味なかったんですよ。でも、ロレックスだと分不相応というか。だったらタグホイヤーがいいかって思った時期もあって。タグホイヤーにチタンモデルっていうのが当時ラインナップされていて、それが20万か30万かしたんだけど、お金ができたときにはもう製造中止になっていたんです。そんなときにたまたま、このG-SHOCKのチタンモデルと出会ったんです。衝動買いで飛びつきました。チタンモデルだったというのが単純な購入理由。もちろん今まで使ってきたG-SHOCKで体感した安心感もあったし。そのときは5万円のG-SHOCKっていうのは、高価だから仕事で使おうとも思いませんでしたね。

でも、この時計がいちばん仕事で使いやすいなって思ったんですよ。さっき言ったようにリュウズの位置であったり、パネルも無機ガラスでしょ。仕事中にペンキがついたりすると、シンナーで洗うわけなんだけど、リュウズをしっかり締めておけば溶剤が入らないみたいですね。時計にしてはハードな使い方をしています(笑)。防水って言っても、シンナーの溶剤は分子がもっと細かいし、パッキンを溶かしちゃうから、メーカーさんからはやめてくれって言われそうだけど(笑)」。……つづきを読む