ASUSTeK Computerは20日、カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店にて、ユーザーイベント「ASUS年末感謝祭2008」を開催した。

年末総決算ということか、イベントは最新製品の技術的な内容、機能を深いところまで紹介する内容だった。まず注目なのが、「なぜフェーズ数が多い方が良いのか」「EPUチップはどんな事をしているのか」「Stack Cool 2の効果的な使い方は?」といった、ASUS製マザーボードの基本的なポイントを解説するプレゼンテーション。スピーカーはおなじみ、同社広報担当の岩崎氏だ。

CPU電源回路は「効率が悪いと発熱が増え」そして「電力量が増えると効率が悪くなる」という相反する問題を抱えている。そこでフェーズ数を増やし1フェーズあたり負荷を下げることで効率を上げている。同社の8フェーズ電源回路は現在3世代目であり、8フェーズ、16フェーズの製品に関しては最大96%の高効率を実現しているとのこと

フェーズ数が多いほど消費電力量の多いCPUに対応できるが、そのCPUがアイドル時などで低負荷な場合はかえって効率が落ちる。EPUではアイドル時で4フェーズに切替え、高負荷時には8フェーズ、16フェーズをフルに利用するという。このフェーズ切替機能はEPU-6 Engineソフトウェアから利用できる

マザーボード基板を裏側から冷却すると説明されるStack Cool 2。岩崎氏の説明によれば、当初はボード裏面にも冷却風を送る設計のBTXに最適化されていたもの。これを習い「マザーボード裏面に風を当てると効果絶大」とのことなのでお持ちの方は試してみよう

また、最新の「Core i7」対応マザーボードに関するプレゼンテーションも行われた。ASUSでは現在6製品をラインナップしている。なかでも先週発売開始した「P6T」について、実売3万円前後の製品であり、ハイエンドだけどコストパフォーマンスも高く、「Core i7を気軽に楽しめる製品」と紹介した。ただしこの製品はただ安いというわけではない。Core i7向けでは低価格なものの、CPUに8フェーズ、CPU内のメモリコントローラ用に2フェーズ、メモリに2フェーズという十分な電源回路を搭載。さらにメモリへの最短等長配線を採用し、レイテンシも削減しているという。

オーバークロッカー御用達の「Rampage II Extreme」、そして「P6T Deluxe/OC Palm」および「P6T Deluxe」、エントリー向けの「P6T」、ワークステーション用途向けの「P6T6 WS Revolution」「P6T WS Professional」と、様々なニーズに合わせ細かくラインナップ

Core i7+Intel X58 Expressとはどのようなプラットフォームなのか。Intel P45とX58とを比較したブロックダイアグラムから、バス転送速度に注目し「バランスの良いシステム」と紹介

Core i7マザーのなかでもベンチマーク向け機能に特化した「Rampage II Extreme」(中央)。多すぎて2階建てになったという電源回路や操作ボタン、計測端子などを装備。現在の3DMark世界ランキングにはRampage系列のマザーがずらり並ぶほど、その道のプロに支持されている

そのRampage II Extremeを用いたデモ機。Core i7 Extreme 965+GeForce GTX 280の3-way SLI構成の超高性能ゲーミングPC構成

こちらはP6T Deluxe/OC PalmにCore i7 Extreme 965、Radeon HD 4870 X2×2枚で構成したデモ機

一方こちらはAMDプラットフォーム。既に発表されているが、ASUSのほぼ全てのSocket AM2+マザーがPhenom IIに対応する予定だ