今年で3年目を迎えた「横濱ブリリアントウェイ」。横浜の夜景を多彩なイルミネーションやイベントなどで楽しむ同プロジェクトは、クリスマスシーズン、年末年始を前にさらに盛り上がりをみせている。

街中ではさまざまなライトアップも。写真は開港記念会館

赤レンガ倉庫は最も人気の高いエリアのひとつだ

この夜景を気軽に満喫できるのが、「横濱ブリリアントタクシー」と呼ばれる「夜景タクシー」だ。コースは一応3種類に設定されているが、乗客の希望に応えてくれるのはタクシーならでは。観光バスでは入れないようなスポットにも行けるし、夜景スポットに精通した乗務員「ブリリアントコンシェルジュ」のガイドを依頼することも可能だ。

今回は「夜景タクシー」を実際に利用。穴場スポットを中心に案内していただいた様子をお伝えしよう。

人気のない大黒埠頭にて

夕暮れ迫る大黒埠頭、ベイブリッジの下から対岸を眺める。今回は筆者のほか、運転手兼コンシェルジュの永池さん、営業担当の川田さんに特別にご同行いただいた。空にはだいぶ雲が広がっているものの、ランドマークタワーの左には富士山のシルエットが見える。橋の左側、本牧埠頭にもオレンジ色の明かりが光り始めた。

大黒埠頭からの眺め。あいにく雲が多かったが富士山も見えた

「ここは横浜の夜景の定番スポットなのですが、実はこのように閑散としています」。川田さんがあたりを見回した。確かに、大黒埠頭は誰でも知っているエリアのように思っていたが、暴走族対策として夜間の立ち入りが禁止されたことなどもあり、最近ではめっきり人気がなくなってしまったという。もったいない話だ。

「夜景については、もう言葉は必要ありませんね」と永池さん

「中には、ここだけで充分満足されるお客様もいらっしゃいますよ。お客様のご希望や、こちらからのおすすめも提案させていただいて、コースは柔軟に決めていきます」と永池さん。「夜景タクシー」が始まってから、ずっと案内を続けている。

当日の予約もOK

「夜景タクシー」は大栄交通によって実施されている。「横濱ブリリアントウェイ」を主催する財団法人横浜コンベンション・ビューローも協力し、2008年の1月から始められた。

みなとみらいの向こうに富士山が見える雄大な風景

コースは3つ。所要1時間のブリリアントコース(4,350円/1台。高速通行料別途)は基本的に車窓から夜景を眺める。1時間30分のブリリアントウェイコース(6,300円/1台)は、コンシェルジュのガイド付きで途中下車もできる。もうひとつはフリーコースで乗客の希望にあわせた運行。料金は1台1時間、4,350円~で、夜景撮影などの利用が多いという。

タクシーの発着は、横浜駅など市中心の駅や市内のホテル。夜景に最適な時間は16時~20時頃とのこと。当日の予約でも乗車できるので、その日の天気を確かめてから乗車を決めることができるのはうれしい限りだ。また直前のキャンセルにもキャンセル料なしで応じてもらえる。「横濱ブリリアントウェイ」の夜景プロジェクトは、ほとんどが2月15日で終了するが、「夜景タクシー」は3月31日まで運行される。

女性グループに大人気

3コースのうち、おすすめはブリリアントウェイコースとのこと。みなとみらい、赤レンガ倉庫、大黒埠頭、元町・中華街、大さん橋など、モデルコースはあるが、コンシェルジュと相談して行く場所を決められるし、降りて見学もできる。時間的にも1時間半あれば要所を巡ることが可能だ。

みなとみらいの夜景。手前あるのは赤レンガ倉庫

現在、コンシェルジュは14名。夜景スポットはもちろん、ガイドのために最新スポットなどの勉強は欠かせない。だが、みなとみらいを中心に開発が進む横浜。1年前の夜景スポットが、橋の建設などで台無しになっていることもあるという。そういった横浜の一面が聞けるのも、このタクシーならではのことだ。

乗客について訊くと、「大半は女性のグループです。若い方から中高年の方まで幅広いですね。それから横浜在住の方も結構利用されます」(川田さん)。ちなみに、カップルは少ないとのこと。確かに、2人の世界に浸っていたいのかもしれない。利用価値もあるのではとも思うのだが……。

みなとみらいでは屋形船に乗って夜景を楽しむこともできる

(次ページでは、横浜の穴場スポットを詳しく紹介します。)