前回は、"丸括弧で囲んだ文字列を見やすくする"ため、秀丸の強調表示で正規表現を使用しました。今回はその応用例をひとつ試してみましょう。PC系雑誌では、操作をわかりやすく伝える方法の一種として、デスクトップに表示されるダイアログやパーツを表現するため、「○○」ボタンや「○○」タブ、「○○」セクションといった表現を使うことがあります。"「設定」タブにある「環境変数」ボタンを~"など、ご覧になったことがある方も多いでしょう。
これらの特殊な表現も、慣れれば間違えず入力できますが、タイポ(Typographical Errorの略)を避けるためには、強調表示された方が便利ではないでしょうか。この場合の想定は、"始めカギ括弧ではじまり、終わりカギ括弧の文字列が一回以上繰り返えし、終わりカギ括弧で終わる。そして末尾に「ボタン」が付く"となります。つまり前回紹介した「「[^」]+」」を応用すれば簡単に強調表示が可能になるのです(図1)。
図1 検索文字列として「「[^」]+」ボタン」を指定し、カーソルの位置にあわせて「上検索」「下検索」いずれかのボタンをクリックすると、カギ括弧で囲まれた「○○」ボタンがマッチします |
前述のように「○○」タブにマッチさせるのであれば、「「「[^」]+」タブ」と記述。「○○」セクションであれば、「「「[^」]+」セクション」と末尾にある文字列を変更することで、簡単にマッチングします。これらの3つの表記をまとめてマッチングさせる場合は、いずれかの文字列とマッチさせるパーレンを使いましょう。今回のように「ボタン」「タブ」「セクション」の3つをグループ化するのであれば「(ボタン|タブ|セクション)」と記述します。これを先の正規表現の一部と置き換えますと、「「[^」]+」(ボタン|タブ|セクション)」となり、複数の同時マッチングが可能になりました(図2)。
図1 検索文字列として「「[^」]+」(ボタン|タブ|セクション)」を指定し、カーソルの位置にあわせて「上検索」「下検索」いずれかのボタンをクリックすると、カギ括弧で囲まれた「○○」ボタンや「○○」タブがマッチします |
正規表現
「[^」]+」(ボタン|タブ|セクション)
では、前回と同じように今回の正規表現も強調表示に加えましょう。今回は「○○」ボタンや「○○」タブをすべて同じ正規表現でひとまとめにしているため、同じ配色となりますが、異なる配色が好みの方は各単語をパーレンで囲まず、個別に登録してください。ただし、秀丸の弱点と言わざるを得ない配色の少なさが問題となりますので、ほかの強調表示を活用する場合、単色でまとめることをオススメします(図3~5)。
図3 秀丸の[その他]メニューから[ファイルタイプ別の設定]を選択します |