首都高速道路は18日、高速10号晴海線豊洲出入口と高速道路初導入となる白色LED照明を報道公開し、高速湾岸線と銀座エリアをダイレクトに結ぶ10号晴海線・東雲ジャンクション~豊洲出入口間1.5kmは、2009年2月11日15時に開通すると発表した。
高速10号晴海線は、高速湾岸線と都心を結ぶ9号深川線と11号台場線(レインボーブリッジなど)に続く第3のルートで、同線の開通により、千葉・羽田・横浜方面から箱崎ジャンクションや浜崎橋ジャンクションといった渋滞ポイントの混雑を避けて都心部とアクセスすることができるようになる。晴海線は、1993年に決定された都市計画(東京都告示805号)をもとに整備され、16年の時を経てその計画の一部が実現する道路といえる。
首都高速道路によると、晴海線は、千葉・成田空港方面から銀座方面へは、渋滞が頻発する箱崎ジャンクションや江戸橋ジャンクションを避けるルートとなり、1分から5分ほどの時間短縮が期待される。たとえば辰巳ジャンクションから銀座までの所要時間は、9号深川線経由8.7kmが12分から21分かかるとされ、これを10号晴海線経由6.6kmで行くと11分から16分で着くことができるとしている。豊洲出口から一般道の晴海通りを通っても時間が短縮すると首都高速道路はアピールする。
18日の報道公開では、晴海通りから10号晴海線豊洲入口、東雲ジャンクションまでの約1.2kmを徒歩で往復することができた。復路の途中では高速道路初導入となる白色LED照明の点灯式も行なわれ、環境に配慮した次世代道路照明の輝きも見ることができた。その模様を画像とともに追っていこう。
東京都都市整備局の資料によると、入口側道路と出口側道路の間を晴海方面へと延びる本線が高架で貫くようだ(左)。左の画像では、情報掲示板ゲートの右脇にあたる場所が本線部分となる。坂を上りきったところに豊洲入口・料金所がある |
白色LEDに照らされた晴海線
報道公開のスタートは都道放射34号線(晴海通りなど)から高速10号晴海線へとつながる情報掲示板ゲートから。今回は豊洲入口側道路の上を徒歩で往復するので、東雲ジャンクションを経て湾岸線へと合流していく道のりを観察できた。また、この道は舗装には、低騒音で水はけが良い「高機能舗装」が採用されている。通常舗装に比べてすき間が大きい構造になっていて、このすき間によって、空気が逃げ騒音を生じにくくさせ、雨天時の水はけもよくなる。水しぶきの発生も減り、路面や区画線も見えやすくなるという。
東雲ジャンクションの上に立つと、眼下に高速湾岸線を見おろせる。湾岸線へのアプローチ部分もほぼ完成している状態で、滑らかな孤を描いて千葉(成田空港)方面と横浜(羽田空港)方面へと合流していく。高速湾岸線側も有明ジャンクション~辰巳ジャンクション間で、3 車線から4 車線への車線増幅工事が行なわれるなど、湾岸エリアの渋滞緩和対策が施されているのがわかる。
東雲ジャンクションから湾岸線・千葉方面を望む(左)。9号深川線へと分岐する辰巳ジャンクションをはじめ、画面奥には併走する鉄道のJR京葉線、画面右には東京臨海高速鉄道りんかい線と東雲駅の姿も見られる。湾岸線・横浜方面は、東京ビッグサイトなどの臨海副都心有明地区や新交通ゆりかもめの橋脚も見える |
豊洲出入口周辺に夜の帳が下りるころ、白色LED照明点灯式が行なわれ、白系の明かりに照らされた晴海線が浮かび上がった。首都高速道路は、今回の白色LED照明の導入について、環境と周辺景観との調和を考慮して設置したとしている。従来の電灯よりも消費電力が3割削減でき、CO2削減にもつながるほか、LEDの長寿命効果によってランプ交換に伴う工事回数も削減され工事渋滞も減少するとしている。
また、晴海線豊洲出入口の2009年2月11日15時開通に先立ち、首都高速道路は、同年1月25日に一般公開イベント「首都高スカイウォークin晴海」を開催する。開通してしまったら歩くことができない本線道路上に、開通を記念して撮影する際のベストショットポイントや、晴海線の工事内容がわかる建設ブース、工事車両などの展示コーナーなどが設けられるというので、年始スケジュールに加えてみてはいかがだろう。入場は無料で、開放時間は10時00分~15時30分(入場は14時30分まで)。会場へは新交通ゆりかもめ新豊洲駅が最寄り(徒歩3分ほど)となる。