17日、ノートン・セキュリティ製品を開発提供しているシマンテックが、「オンライン詐欺に関する実態調査(インターネットによる調査。ヤフーバリューインサイトに委託)」の結果を発表した。
このオンライン詐欺に関する調査は、今回で5回目を数える。日本国内のインターネットユーザー1,000人を対象に、男女比は50対50、15~19歳、20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60歳以上、パソコンの習熟度で初級スキル、標準スキル、上級スキルというセグメントに分けられて実施された。
今回の調査によって明らかになった傾向は、クレジットカードによる決済が普及していることだ。ネットショッピングやサービスの利用率が84.4%と高く、日常的に利用されていることが明らかになった。その決済手段として70.7%と高いポイントでクレジットカード決済が選択されている。
また、「セキュリティに対する自信がない」と回答した割合が増加していることにも注目したい。「オンライン詐欺への対策について正しく理解している」と回答した割合が24.3%と、PCやインターネット利用の急激な普及に対して正しいセキュリティの理解が追いついていないことが数値からみてとれる。
加えて、個人情報への関心だが、10~20歳代の女性で個人情報の入力への抵抗感、関心が低下しているという数字も。これは金銭の授受が発生しないWebサービスなどが増加してきたことが背景にあるように思う。また、そうした個人情報を流出させる原因ともなるフィッシングやスパイウェア、トロイの木馬といったオンライン上の不正行為に対する認知率が、初級スキルでやや低いのが気になるところだ。
これは、個人情報を収集するメールを受信しているか?との問いに対して、上級スキルを持つユーザーは「受信した」との回答が増加しているなか、初級スキルのユーザーは93.1%が「受信していない」と回答。では、実際に個人情報の流出、詐欺被害に遭ったと思われるかに関しての調査結果を見てみよう。
なんと4人にひとりが「ある」または「ひょっとしたら……」と回答。しかも、個人情報に対しては「どこから流出したのかわからない」という回答が急増している。そのような事態に対して、どういった対策を練るのか。
その回答のほとんどが「対策ソフトの導入」との結果がでている。フィッシングやトロイの木馬に対して「対策ソフトのアラートで初めてその存在に気がついた」というケースが多いのが特徴的だ。さらに、50歳代に関しては「セキュリティソフトが警告を出さない限り安全だ」と回答を寄せるユーザーが多かったことからみても、セキュリティ対策ソフトへの依存度が高まっているということの裏付けになるだろう。
一方、視点をオンラインゲームに目を向けてみよう。現在、オンラインゲーム人口は全世界で2億人ともいわれ、オンラインゲーム利用者の約1割がRMT(リアル・マネー・トレード)を経験。なかには、最高で年間約300万円も取引しているという実態もあるのだそうだ。
今後、アイテム課金やアカウントの購入などRMTを経験する機会はよりいっそう増えていくことが予想され、シマンテックはオンラインゲームユーザーに対して、快適かつ静かにバックグラウンドで動作する「ノートン・アンチウイルス 2009 ゲームエディション」や、2008年12月末にネットブックなどのUMPC向けにダウンロードでインストールするセキュリティ商品を提供するなど、コンピュータウイルス対策ソフトウェアベンダーとしての誇りと姿勢をみせている。
発表の最後にシマンテックからオンライン取引を楽しく安全なものにするための五箇条として、以下の提言があった。
1.必ず高度なセキュリティソフトウェアがインストールされたパソコンを使用する 2.疑わしいメールには返信しない/添付ファイルを開かない 3.パスワードは複雑に 4.重要なデータはバックアップしよう 5.セキュリティソフトは常に最新の状態に
基本的なポイントだが、重要度は高い。セキュリティソフトを使うのはもちろんのこと、セキュリティソフトとは何か、コンピュータウイルスとは何かを、自分のパソコンを守るためにも一度勉強してみては如何だろうか。