東京ビッグサイト(東京・国際展示場)で11日から13日まで開催されている日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2008」では、華やかさでは若干目立たないが、環境技術への取り組みを強くアピールした展示が数多く存在した。三菱自動車工業(以下、三菱)の「新長期規制適合ディーゼルエンジン搭載車『パジェロ』」、いすゞ自動車(以下、いすゞ)の「低公害・石油代替エネルギートラック『エルフCNG-MPI』」などもそのひとつ。一方で、インパクトや試作品ながらも注目を集めていた展示物もある。メルセデス・ベンツ日本(以下、メルセデス)の「スマートin自動販売機」や、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)の「燃料電池二輪車『FC-Dii』」だ。
三菱は、10月に発売した3.2Lコモンレール式ディーゼルエンジンを新搭載した「パジェロ」と、そのエンジンのカットモデルなどを展示。新型ディーゼルエンジン「DI-D」は、平成27年度燃費基準(JC08モード)を達成した低燃費性、平成17年度排出ガス規制(新長期規制)をクリアした高い環境性能などを備えた同社の自信作だ。クリーンで静かで力強いDI-D搭載のパジェロは、従来の3.0Lガソリンエンジン搭載車と比べて約15%の燃費向上を達成し、同時にCO2排出量も削減している。
いすゞも次世代ディーゼルエンジン「D-CORE」を展示。排気量あたりのトルクを高めながらも、軽量・コンパクト化を追求し、新長期排出ガス規制への適合および低排出ガス重量車認定を取得した新時代の環境性能と、平成27年度燃費基準の達成を両立させている。また、天然ガスで走る低公害・石油代替エネルギートラック「エルフCNG-MPI」は、CNGタンクや三元触媒の位置がわかるように荷台を外した状態で展示されていた。
さて、残る2つは、来場者にインパクトを与える遊び心のある展示や、「いち早く商品化してほしい」という声があがっていた試作品展示があったブースを紹介しよう。
メルセデスのブース、というよりは箱とでも言おうか。あのトヨタiQもお手本にしたという「スマート」が、"実物版ミニカー"のように箱に閉じ込められている。コンセプトを説明するような資料もないようで、エコプロダクツ2008の出展内容項目には「自動販売機に見立てた展示ボックスにスマートの実車を入れ、そのコンパクトなサイズ、スタイルや環境性能を訴求する、言うなれば世界最小のショールームです」と記されていた。
一方、「パッソル」などの小型電動スクーターが販売中止されてから久しいヤマハは、燃料電池二輪車「FC-Dii」を参考出品車・試作車として展示していた。FC-Diiは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成を受けて開発されたもの。メタノール水溶液(液体)を燃料とする燃料電池二輪車「FC-me」の基本性能を発展させたモデルで、脱着して充電できるリチウムイオンバッテリーと併用する。来場者からの「これいつごろ出るの?」といった質問や、「ほしい」という声が多かった。