パナソニックブースでは、製品の環境技術を紹介する「商品のエコアイディア」、製造段階での環境技術を紹介する「モノづくりのエコアイディア」、市民活動や生態系保護のための取り組みを紹介する「ひろげるエコアイディア」という3つのブロックに分けた展示を行っている。ここでは、商品のエコアイディアのブロックの見どころについて紹介してきたい。
まずは、右の写真を見ていただきたい。手前がパナソニック電工が発売している床材「Eフロアー」だ。手前が製品版で奥にあるのが表面加工が施されていない基材と呼ばれるボードだ。一般的に、床材ではラワン合板などの表面に加工を施したものが使用される。原料は天然の木材、スライスしたうえで、縦横に張り合わせて作られる。一方、木質ボードという材料も存在する。こちらは、木を細かくしたチップを接着剤で固めて作られる。原料は、天然木に限らず、住宅を取り壊したときに発生する廃材なども利用可能だ。しかし、従来は、吸水性が高く、床材には使いにくかった。そこで同社では新たに耐水性樹脂を含む接着剤を開発。この接着剤で熱圧/成形を行ったのが、Eフロアーの基材だ。すべてリサイクルした木質原料から作られており、このEフロアーを製造するために、新たに森林が伐採されるということはない。ボードの吸水量は、一般的な木質ボードの24%から、約1/10の2.7%にまで削減されている。また、耐水性だけでなく、表面が固く従来ののラワン合板に比べて、傷や凹みも発生しにくいというメリットもある。なお、Eフロアーは第5回エコプロダクツ大賞のエコプロダクツ部門 エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞を受賞している。
左が天然木より作られたチップで右が廃材から作られたチップ。Eフロアーでは、サイズの異なるチップを3層構造で張り合わせて使用している |
3D見張りセンサーを搭載したななめドラム洗濯機「NA-VR5500」(ドラム内のブルーのLEDはデモのためのもので製品には搭載されていない) |
続いては家電製品。ななめドラム洗濯乾燥機「NA-VR5500」や、トップユニット冷蔵庫「NR-F503T」などの省電力機構についての紹介コーナーが設けられている。NA-VR5500は、節電/節水高効果の高いヒートポンプによる乾燥と除湿を行うモデル。さらに、ドラム内の衣類の状態をリアルタイムで監視する「3D見張りセンサー」も装備されており、衣類の種類、量にかかわらず、高い洗浄力をキープすることが可能となっている。NR-F503Tは、コンプレッサーやヒーターのコントロール方法の最適化と、冷凍温度帯を集中させるレイアウトにより、昨年モデルよりも30%もの低消費電力化を実現したモデル。ブースでは、使用されている真空断熱材「U-Vacua」についてのデモも行われている。
最後にAV機器だが、ここでは、各AV機器の低消費電力化と、複数の機器を「ビエラでリンク」で使用した際のCO2削減について、デモが行われている。同社によると、テレビの電源とレコーダーやシアター機器の電源が連動することで、電源の切り忘れによる無駄な電力消費を抑えることが可能だという。また、従来は多くの人で見るためには、プリントアウトする必要があった写真も、テレビの大画面で楽しむこことが可能になったため、紙やインクの消費量が削減可能だとのことだ。
また、同社では、以前からビエラでリンクをコアとしたホームセキュリティシステム「くらし安全ホームサービス」などをリリースしている。ネットワークカメラや、セキュリティ玄関番システム、エアコンや照明の管理を行うというものだ。さらにコードレスドアホンの「どこでもドアホン」、HDナビの「STRADA」Fクラスなどとのリンクも、すでに製品に搭載されている。現在でも、出先で、家の鍵を閉めたかどうか確認することや、照明や空調のオン、オフ(消し忘れによる無駄な電力消費を防ぐ)などが可能だ。
AV機器だけにとどまらず、さまざまなカテゴリーの製品をリリースしている同社グループでは、家庭のリビングに設置されたテレビをコアとして、生活全般に関するリンク機能を実現することでのCO2削減についても、今後進めていくとのことだ。