東芝ブースでは、AV機器と家電製品の環境性能の向上についての展示が見どころだ。AV機器では薄型テレビの省電力化。右側に設置されているのが、42V型の液晶テレビ「42C3500」。そして左側に設置されているのが、開発中の省電力テレビだ。この省電力テレビは、パネルに使用されている光学フィルムの高性能化によって、省電力化を実現するというものだ。光学フィルムを高効率化することでバックライトの明るさを減らしても、同じ画面の明るさをキープできるようになるというもので、従来の約2/3の消費電力となっている。
続いてはレコーダーだ。デジタル化以降のレコーダーでは、アナログ時代のレコーダーに比べて、起動時間の遅さにいらいらさせられるケースが多いのではないだろうか。電源スイッチを押して、番組表を表示させるまで1分以上もかかるというモデルも存在する。そこで多くのモデルに採用されているのが高速起動モード。レコーダーを、PCでいうところのスタンバイ状態にしておくことで、使いたいときにすぐに使えるようにするというものだ。多くのモデルで、スイッチを押してから数秒で使用可能になる。ただし、高速起動モードにしておくと待機電力がどうしても大きくなるという問題がある。それに対する対策が施されているのが、同社のレコーダー「RD-X8 / S503 / 303」だ。使用している部品の省電力化や高集積化などにより、現時点で業界No.1の3.4Whを実現している。また、高速起動を使用しない場合の待機電力も0.9Wと低い水準に抑えられている。
家電製品では、ドラム型洗濯機やルームエアコンでの環境性能アップについて展示。写真は、同社のドラム式洗濯機「TW-4000VF」。乾燥や乾燥後の除湿にヒートポンプを採用するモデルで、低消費電力や低使用水量を特徴とする。とくに消費電力は、パワーモーターバルブと呼ばれる冷媒の流れをアクティブにコントロールする仕組みにより、大幅に低下。洗濯から乾燥までで980Whと、業界で初めて1000Whを切るモデルとなった。
また、東芝キャリアの大清快シリーズも展示。同シリーズは、大風量と、空気清浄能力の高さをポイントとするルームエアコン。新モデルでは、デュアルコンプと呼ばれる新機構を搭載することで、大幅な低消費電力化も実現している。エアコンは、運転を始めたときなどには、大出力で動作するが、部屋の温度が安定しているときには、それほどの出力を必要とするわけではない。デュアルコンプは、ロータリーコンプレッサーに2基搭載されているシリンダーを、状況に応じて両方使用する/片側だけを使用する、と自動切り替えすることで、中-低出力時の省エネ性能をアップさせるというものだ。同社によると、一度室温が安定した室内での消費電力量は、45Wh程度と、電球1個分に満たない低い水準に抑えられるという。また、現在の運転中のCO2の排出量や電気代などを、本体とリモコンに表示する機能が搭載された。
さらに、同社の原点の一つである、電球の歴史についても展示。同社は、1890年に国内で初めて電球を開発・販売したメーカーだが、その最初の電球から現在も使用されている白熱電球へ、そしてさらに電球型蛍光灯、LED電球へという歴史と、それぞれの消費電力/CO2の排出量が表示されている。