大賞受賞者の声

会場にはエンターテインメント部門の大賞を受賞した『TENORI-ON』の岩井俊雄氏や、アニメーション部門の大賞受賞作品である『つみきのいえ』の作者、加藤久仁生氏の姿もあり、それぞれが受賞の喜びをコメントしている。

岩井俊雄氏。1962年、愛知県出身。メディアアーティスト。筑波大学大学院芸術研究科総合造形修了

岩井氏「現在、みなさんが持っているiPodが世界的に大きなブームを起こして、音楽をシャッフルして聞くというライフスタイルに変わってきました。我々はその次を目指して、ひとりひとりのユーザーがつくられた音楽を受身で聞くだけではなく、自分から体調や、気分、環境に合わせて音楽をつくっていくというクリエイティブなライフスタイルがやってくればいいという考えをもっています。もうひとつ、私たちが目にしているピアノやギターという楽器はすべて海外から入ってきたものです。それを我々は小さいころから練習してミュージシャンを目指したりしています。そこを、日本発のまったく新しい形の楽器、新しい存在感のある楽器をつくってみたいと思い、この『TENORI-ON』が生まれました。エンターテイメント部門が、従来ゲームなどが多く受賞されていたなか、賞をいただくこととなり、とても励みになります。ありがとうございました」

加藤久仁生氏。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。2001年ロボット入社。キャラクターアニメーション部CAGEに所属

加藤氏「こういう大きい賞をいただいてありがたいと思っています。この作品は去年、企画から1年ぐらいかけてつくった、12分という短い作品です。ひとりのおじいさんの物語で、彼と家族のお話です。基本的には作画や背景などはすべて鉛筆で描いて、それをパソコンに取り込んで、色を付けていきました。日本で賞を獲るとは思ってなく、フランスでの大きな賞に続いての受賞ということで驚いています。ありがとうございました」







受賞作品などは、「第12 回文化庁メディア芸術祭」(2009 年2 月4~15 日、国立新美術館)で一般公開される。