坂本龍一は10日、ニューヨークのスタジオからiChatを介し、東京・銀座のApple Store,Ginzaでソロアルバム『out of noise』を発売することを発表した。5年ぶりのソロアルバムの発売日は2009年3月4日。

ニューヨークのスタジオからインターネットを通じて会見を開いた坂本龍一

「out of noise」について坂本は、「ピアノがベースにあるけど、そこに別の北極圏の音を入れたりも。グリーンランドといえば犬ぞりで、わんちゃんたちの鳴き声を入れたり、海の中の音とかも入れて。最近、中世とかルネッサンスとかバロックとかの古い音楽も好きなんですよ。そういう好きな音をちょこちょこと刺身のようにつまみにして、素材を生かした日本料理や枯れた枝に一輪だけ花を刺すような華道に似ている。花鳥風月のような音になりましたね(笑)」と表現した。

また、2009年3月18日からは全国ツアー「Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009」も行なう。坂本にとっては4年ぶりで、自身としては異例の1ヶ月以上かけて全国21ヶ所を巡るツアーとなる。「これで最後になるかもしれない」と坂本。さらに、このツアーの模様をiTunes Storeでライブ音源として随時配信することも発表した。このライブ音源は各公演終了後に最短24時間で配信。全世界22ヶ国でリアルタイムに配信される。「仮に演奏が間違えてもライブでよしとして、どんどん出しちゃうという試みですね。これだけ随時配信することになると、お客は聞き飽きちゃって来なくなると困っちゃうけど、そんなに弾ける曲も無いんで、すこしは変えないとね」と坂本は今回の試みの意図を語った。