結婚トレンド研究所(渋谷区猿楽町)が11月より始めた完全プライベート制の男性向けマナーレッスンが人気を集めている。元々、同研究所では、挙式に向けたカップルを対象としたマナーレッスン「ブライダルプロトコール」を行っていたが、まだパートナーが見つかっていない、婚活中の男性からレッスンを受けたいという要望に応じた形でスタートさせたという。
婚活におけるマナーの重要性とはどのようなものなのか。結婚トレンド研究所のひぐちまり所長に伺ったところ、こんな答えが返ってきた。「個を抑えても集団の和を重んじるのは、終身雇用制があった20年ほど前の話。確かに、その頃は喋るより察することが尊ばれ、上品とされていました。しかし現在は、自分が主張する時代。また、現代の女性は、自分が大事にされているということを表現されないと、納得できないのです。結婚したいと考える男性は待ちの姿勢から攻めに転じなければならないのは、もはや自然の流れと言えるでしょう。ですが、シャイで口下手な日本人男性がいきなり『I love you』と囁き、挨拶代わりにキスするなんて、どう考えても無理じゃないですか。一方、エスコートは日本人男性でも取り入れやすいし、簡単にできます。目は口ほどに物を言うといいますか、男性が女性をしっかりエスコートすれば、口下手な男性でも、女性に『私はあなたを大事に思っている』という事を、その所作を通して伝えることができます。ですから、エスコートはシャイで口下手な男性こそ身につけることをお薦めします」。
ひぐちまり氏プロフィール
外資系銀行・建築企画会社を経て1988年より、ブライダルに携わる。1987年にはジミーカーター第39代アメリカ合衆国大統領を迎えてプライベートレセプションを担当した経験もあるおもてなしのスペシャリスト。現在はウェディングプロデュース界の草分け「オリーブの丘」代表であり、現在の結婚事情を見据え、新しい結婚のスタイルを提案する結婚ジャーナリストとしても活躍。結婚トレンド研究所所長、日本プロトコール&マナーズ協会理事を務める
人は第一印象で決まると言われるが、最初からマイナスイメージを持たれては、なかなか次のステップに進展しない。また、ちゃんとしたマナーを学べば、自信につながり、女性への高感度もぐっとアップするに違いない。「ですが、エスコートのやり方が分からない、あるいは間違えたら恥ずかしいという理由で、躊躇する男性が多いのが実情だと思います。でもコツを覚えてしまえば、意外と簡単なんですよ。レッスンでは専属の講師がつき、エスコートの基礎から学ぶことができますから、気軽に参加してほしいですね」
同レッスンでは、基本の姿勢とエスコート、日常シーンでの応用練習を行う「男性向けプライベート・レッスン」と、ウォーキングを中心とした「男性向けプライベート・ウォーキング・レッスン」の2つが用意されている。「プライベート・レッスンはベーシック、そしてウォーキング・レッスンがオプションという位置づけですが、ウォーキング・レッスンから始めてもOK」とのこと。いずれも受講時間は1時間30分で、1回21,000円。定員は1名だが、パートナーとの参加も可能だ。
「レッスンは完全プライベート制なので、忙しい方でも空いている時間を使ってレッスンを受けていただくことができます。何よりマンツーマンですから、他人の目を気にすることなく、質問をしたり、じっくりと教わったりできるのが魅力と言えるでしょう。エスカレーターのマナーなど、普段気になっていたことを聞かれるケースもあります」。
また、マナーをしっかり身につけておくと、何かとお得なこともあるのだとか。「特別な記念日に奮発して三ツ星レストランにいく場合。まず、マナーを身につけていることが自分の自信になりおちついて、堂々とふるまえるようになります。また、こちらがきちんとしたマナーで接すればそれだけ、質の高いサービスを受けることができ、よりその時間を楽しむことができるでしょう」。また、エスコートを実践している方から「エスコートをすることで、回りに気配りが自然とできるようになり、会社の上司に気が利くようになったと褒められました」と言う嬉しい報告もあるという。