KDDIと沖縄セルラー電話は8日、320kbps/AAC形式の採用で高音質になった「着うたフルプラス」と、このサービスに対応する音楽機能に特化した携帯電話「Walkman Phone, Xmini」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)を発表した。本記事では、着うたフルプラスとWalkman Phone, Xminiの詳細をお伝えする。
高音域に強くなった「着うたフルプラス」
発表会のプレゼンテーションを行ったKDDI 取締役執行役員常務コンシューマ事業統轄本部長 高橋誠氏 |
auが2002年に業界に先駆けて始めた携帯電話向け音楽配信サービス「着うたフル」は、サービス開始以来、コーデック(圧縮方式)がHE-AAC形式、ビットレートが48kbpsとなっていた。
一方、遅れて着うたフルに対応した他の通信事業者では、auと同じくHE-AAC形式ではあるものの、標準ビットレートをauより高く設定しており(NTTドコモではauの2倍となる96kbpsが標準)、単純な「圧縮ファイルの質」という面ではauが見劣りするようになっていた。
auとしては、この状況に手をこまねいていたわけではなく、ヤマハの「DBEX」や日本ビクターの「netK2」といった高音質化技術を端末に積極的に搭載してきた。そして今回、圧縮された音楽ファイルそのものの改善策として「着うたフルプラス」が登場した。
着うたフルプラスでは、コーデックをAAC形式に変更し、最大ビットレートを320kbps(長時間楽曲に関しては256kbps)とした。容量は平均2MBだったものが平均10MBと約5倍に拡大。10MBの容量は約4分の楽曲分に相当し、パケット数換算ではおよそ8万パケットとなる。ビットレートを向上したことで、従来は損失しやすかった高音域の音質が改善され、より厚みのある音楽を楽しめるようになった。
着うたフルプラス対応端末は発売済みの「W65T」(東芝製)と、今回、同時に発表された「Walkman Phone, Xmini」。これ以前のKCP+端末は対応しない。なお、KDDIは、2009年春以降発売されるKCP+端末に、着うたフルプラスを標準機能として搭載する方針である。
サービスは、2008年12月下旬に「au oneミュージック」上に設けた特設コーナーからの楽曲ダウンロードを皮切りに開始される予定。2009年1月下旬より、順次コンテンツプロバイダーによるサービスも開始する。
「着うたフルプラス」の対応機種。来春以降のKCP+端末では標準対応する方針だ。「Walkman Phone, Xmini」には、着うたフルプラスの体験版として、倖田來未さんの新曲「Stay with me (short ver.)[体験版]がプリセットされる |
着うたフルプラスのサービス開始にともない、パソコン用の楽曲転送ソフト「LISMO Port」もバージョンが3.0にアップグレード。着うたフルプラスのバックアップ・転送・購入などが行えるようになった。ダウンロードはこちらから行うことができる。
また、すでに着うたフルの転送に対応しているソニー製ハードディスクコンポ「NETJUKE」でも、ソフトウェアの更新によって着うたフルプラスへの対応を行う予定。 2008年12月11日に、ソニーのNETJUKE公式サイトで情報が公開される予定である。