ルーヴル美術館が所蔵する17世紀絵画が一堂に会する『ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』が2009年2月28日から東京・国立西洋美術館にて開催される。これに先立ち、12月3日、記者会見が行われた。

記者会見会場

会見では、青柳正規国立西洋美術館館長他の挨拶につづき、ルーヴル美術館絵画部学芸員ブレーズ・デュコス氏が展覧会概要について説明。デュコス氏は「本展覧会は、特定の画家、特定の流派にスポットを当てるのではなく、ヨーロッパ絵画を『17世紀』という時間軸で切り取り、『黄金の世紀とその陰』『大航海と科学革命』『聖人の世紀における古代文明の遺産』という3つのキーワードを軸に、当時の社会風景や宗教観にアプローチする奥深いテーマを内包している。今回、ルーヴル美術館所蔵作品から選りすぐった作品から、市民階級の台頭、貧困や飢餓など17世紀の多様性を浮き彫りにする内容となっている」と展覧会のコンセプトと見どころを解説した。

17世紀は、オランダ、スペイン、フランスなどヨーロッパ各国で多くの巨匠が誕生し、黄金の世紀とも呼ばれている。芸術の開花、科学の進歩、大航海時代の幕開けなどの華やかな時代とされているが、その影で、宗教戦争や貧富の差といった陰の部分も存在した陰影に富んだ時代だった。本展覧会では、貧しい庶民を描いた作品や古代文明をテーマにした宗教画など多様な作品から、17世紀という時代を読み解くことができるという。

出品作品は、ルーヴル美術館が2点所蔵するフェルメール作品のうちの1点である『レースを編む女』をはじめ、レンブラント、ベラスケス、ルーベンスなどの大作が揃う。国内にいながらこれだけの多くのルーヴル美術館所蔵の17世紀絵画を見られる機会はいまだかつてなく、見逃せない内容となっている。

全国のローソン店内にある端末「Loppi」にて、12月3日より、並ばず入場できる入場日指定チケットを販売中。

『ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』開催概要

東京会場 京都会場
場所 国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7) 京都市美術館(京都市左京区岡崎公園内)
会期 2009年2月28日~6月14日 2009年6月30日~9月27日
主催 国立西洋美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞東京本社 京都市美術館、ルーヴル美術館、読売テレビ、読売新聞大阪本社

作品紹介

ヨハネス・フェルメール 《レースを編む女》 1669年-1670年頃

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レンブラント・ファン・レイン 《縁なし帽をかぶり、金の鎖をつけた自画像》 1633年

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ペーテル・パウル・ルーベンス 《ユノに欺かれるイクシオン》 1615年頃

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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 《6人の人物の前に現れる無原罪の聖母》1662年-1665年

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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 《大工ヨセフ》 1642年頃

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ディエゴ・ベラスケスとその工房 《王女マルガリータの肖像》 1654年

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