東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)はこのほど、新型電気機関車EF510形を導入すると発表した。2010年春以降、合計15両を順次導入する予定。

JR東日本は現在、59両の電気機関車を保有。今回発表されたEF510形は、「カシオペア」「北斗星」などの寝台特急や貨物列車に現在使用されているEF81形電気機関車と置き換えられていくという。新型機関車の導入は、国鉄を分割民営化してJR東日本が発足して以来、初めてとのこと。

EF510形電気機関車(写真提供:日本貨物鉄道)

EF510形は日本貨物鉄道が開発した電気機関車。首都圏の直流電化区間と、東日本、西日本の異なる周波数の交流電化区間に対応しており、JR全線の電化区間に対応する。最高運転速度は110km/hでEF81形と同じだが、最高出力は3割アップの3390kwとなり、加速や牽引重量が向上するという。また、モーターの制御方式はVVVFインバータ方式とし、これは最新型電車と同じ方式で6軸の各車輪の空転を防ぎ、故障に強くする目的からとのこと。

EF81形は6個のモーターをひとつの抵抗装置で一括制御していた。新しいEF510形は、VVVFインバータ制御装置を採用し、6個のモーターを個別に制御する。モーターの出力が最適化され車輪の空転を防止する

万が一、制御装置やモーターが故障した場合も、残りの制御装置とモーターが稼働できる

なお、現在寝台特急カシオペアや北斗星で使用されているEF81形は専用の塗装が施されているが、同社によると「(JR東日本用EF510形の)塗装については、まだ決まっておりません。カシオペア牽引用についても、星のマークが入るかどうかも含め検討中です」とのこと。また、新型機関車を導入する2010年以降の寝台特急の動向については「これまでも寝台列車は輸送量の減少にあわせて、列車の廃止や統合、編成減車などを実施しております。ですから、今後のご利用状況に見合った列車の統廃合等も含めた中で検討していくこととなります」(同社広報)とのことだ。