『明鏡国語辞典』を刊行している大修館書店はこのほど、「『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典!」の受賞作を発表した。これは、新語・流行語や特定の世代や地域でのみ使われている言葉など、既存の国語辞典では扱っていない言葉を集めようというキャンペーン。全国の中高生から国語辞典に載せたい言葉や意味、例文を募集し、昨年の1.5倍に当たる6万2,805件の作品が寄せられたという。同キャンペーンは今年で3年目。受賞作は以下のとおり。
「もっと明鏡」大賞最優秀作品賞受賞作
見出し語 | 解説 |
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おとメン【乙男】 | 乙女心をもっている男のこと。かわいい物や料理、裁縫などが好きな男のこと。メイクの得意な「化粧師系オトメン」、お花の手入れが得意な「お花好きオトメン」などがある。《注》男らしさも兼ね備えていなくてはならない |
がち【ガチ】 | (1)「真剣に」や「本当に」など、特定の物事の本気具合、または熱さ(熱心さ)具合を表す。「昨日はガチで怒られた(=昨日は真剣に怒られた)」 (2)名詞の前につけて「真性の〜」を表す。「ガチオタ(=真性のオタク)」《由来》「ガチンコ」(=真剣勝負)に由来すると思われる |
しゃかお【シャカ男】 | 電車内でイヤフォンから音漏れしている男の人。近年増加傾向にある。「今朝中央線で、隣がシャカ男でさぁ……」 |
たひる【タヒる】 | カタカナで「タヒ」と横書きしたら、漢字の「死」に似ていることから。主に若者がメールで使う。「死ぬ」までは強くなく、「もうだめ」など軽い言葉。「今日のテスト、タヒるよー(=今日のテスト死んだよー)」 |
チェンそー【チェンソー】 | 総理大臣がかわること。「CHANGE 総理」の略。「山田から田中にチェンソーした」「チェンソーしてほしい」 |
ひめ【姫】 | (1)「ちょっと」や「少し」を今風にしたもの。「このビデオ、姫こわ〜」「姫楽しい〜」 (2)かわいいもの。「姫系ファッション」「姫電(かわいくデコレーションした電話)」《対義語》((1)に対して)鬼 |
モンペ | モンスターペアレンツの略。自分の子供のことを思うあまりに周りが見えなくなっている、異常なまでの親バカのこと。クレーマーになる場合が多い。「またモンペからクレームが来たよ…」《関連》【モンスターチルドレン】モンスターペアレンツによって作り出される子供のこと。モンペの子供版 |
やする【ヤスる】 | (1)ツメをヤスリでけずること。ツメを切るのとは少し違う。「お前ツメ割れてんじゃん!! ヤスれよー」 (2)遊ぶときなど人数が多すぎるとき数名をはずすこと。決してその子が嫌いなわけではない。「どーはー! 5人しか入れないー! 誰かヤスらなきゃー!」「あたしヤスられよーかー?」 |
ゆびこい【指恋】 | 好きな人と携帯でメールをすること。相手に自分の思いを伝えようとすること。《語源》親指で文字を打つことから |
ろうどう【老働】 | 定年を過ぎたおじいさんが年金だけでは生活をまかなえず、働くこと |
「もっと明鏡大賞」事務局 オススメ傑作選
<現代若者恋愛事情編>
見出し語 | 解説 |
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いちずっぱい | 一途で甘酸っぱい。「あの子、あんなチャラい彼氏なのにいちずっぱいよねー」 |
けなしあい【貶し愛】 | 愛ゆえに悪く言ってしまうこと。一見ひどいことを言っているようだが、その奥には愛があること。◆本当に悪意があるのではなく、歪んだ愛情表現の一種 |
こそアド | こっそりメールアドレスを交換すること。「おい、こそアドしてたのかよ。抜け駆けだー」 |
ちらがんみ【チラがん見】 | (好きな人や気になる人のことを)チラチラ見ているとみせかけて、じつはずっと見続けること。「彼のことを朝からずっとチラがん見してた」◆相手に対して大好きビームを送り込んでいる可能性が大 |
でんこく【電告】 | 電話で告白すること。「最近の若者は電告のほうがうまくいくんですよ」《類》メル告 |
ばかやろーかいさん【バカヤロー解散】 | カップルなどのケンカ別れ。「あんなバカ女、こっちからバカヤロー解散してやったよ」 |
はれんち【破恋知】 | 恋に破れて初めて知ること。「この心の痛みこそ、まさに破恋知なのだろう」 |
リアこい【リア恋】 | リアルな恋。「おっかけひと筋だった彼女がついにリア恋に目覚めた」◆芸能人好きな人が一般の人に恋をしたときに使う |
「もっと明鏡大賞」事務局 オススメ傑作選
<手当たり次第に増殖し続ける省略語編>
見出し語 | 解説 |
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ぎそる | (ささいな事柄を)偽装する。「あいつ今、お菓子の数をぎそったよな?」 |
くまる【隈る】 | 夜更かしする。「宿題が終わんなくって隈った」◆寝不足になると目の下に隈ができることから |
せぱる【セパる】 | 切羽詰まる。「テスト中に答えが分からなくなりセパった」 |
なぎる【凪る】 | はなはだしくしらける。どうしようもないくらい場が気まずくなる。「その瞬間、教室中が凪った」 |
ペリる | (1)ずうずうしい態度をとる「社長の息子だから生まれつきペリっている」 (2) (何かに)固執する。「どんな些細なことでもペリる性格」◆1853年、浦賀沖に現れたアメリカ海軍司令官・ペリーが強引かつ執拗に開国を迫ったことから |
ぽちる【ポチる】 | インターネット通販などで、購入ボタンをついクリックしてしまう。「見る見る痩せるって言われて、ついポチっちゃった」◆家庭の主婦によく見られる |
もそる【モソる】 | 妄想にふける。他のことを考える。あり得ないことを想像する。「数学の時間はずっとモソってたんだよ」 |
「もっと明鏡大賞」事務局 オススメ傑作選
<まさにオヤジギャグ予備軍!?の新語編>
見出し語 | 解説 |
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いきりコぶた【イキリコ豚】 | いきってるデブ。調子に乗っている、ちょっと太った人。「あいつ最近イキリコ豚になってるよね」 |
おしむ【オシム】 | 「惜しいけど無理」の略。「めっちゃオシムだったな~」◆初めは「OM」と表現されたが、最近では「オシム」の方が一般的になっている |
かにかま【カニカマ】 | 蚊に噛まれること。また、噛まれた跡。「ずっと外にいたからカニカマやー」 |
しゃメラマン【写メラマン】 | 携帯電話で写真を撮るのがとても上手な人。「あの写メラマンの撮った写真は絶品だ」 |
ダルビッシュ | 疲れた状態。「ちょ~ダルビッシュなんですけど」◆「マジ」「超」などに続けて、「うわ~、今日マジちょ~ダルビッシュ!」と使われることが多い |
ハミングアウト | 大事なことをはっきり言わない様子。また、そういう人。「ハミングアウトする人って、話したいのか話したくないのか不明だよな」 |
ぼういんぼうしょく【忘飲忘食】 | 飲んだり食べたりしたものを忘れてしまうこと。記憶力の低下を表す語。「近頃は忘飲忘食がはげしくて困ります」 |