ニコンは3日、発表されたばかりのデジタル一眼レフカメラ「D3X」の新機能に関する説明会を開催し、既存モデルの「D3」とのすみ分けなどについて説明した。説明会では実機を使った撮影が可能になっており、現地で撮影した画像を掲載したい。
D3Xは、2日に発表されたプロフェッショナル向けのデジタル一眼レフカメラ。有効画素数2,450万画素・FXフォーマットのフルサイズCMOSセンサーを搭載する。同社ではコンセプトとしてD3で培った軽快な機動性、撮影状況の変化に対応する柔軟性、シャッターチャンスへの集中力を高めるスムーズな操作性の3点を挙げる。
ボディデザインはD3を踏襲。前面のロゴ以外はD3と同等のボディを採用したことで、高い堅牢性を確保。シーン認識システムや51点のAFシステム、30万回の耐性を誇るシャッターユニットなどの機能も継続して搭載されている。
最大の特徴となるのが2,450万画素という高画素のフルサイズセンサー。センサー自体は新開発のソニー製で、ニコン独自のチューニングが施されている。高精細、高画質に徹底的にこだわり、センサー自体の品質基準も厳しく設定したほか、繊細なディテール、モアレの抑制、低ノイズなどを実現したという。
有効画素数1,210万画素のフルサイズセンサーを搭載したD3と比べて大幅に高画素化したことで、より高精細な画像が必要なファッションやコマーシャルフォトなどのスタジオ撮影、ネイチャーフォト、軍・警察関係などのプロフェッショナルユースを想定する。また、スポーツ・報道の分野でも高画素が必要なユーザーも想定している。
同社初のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼レフカメラとなったD3の発売以来、同社にはより高画素を求める声が寄せられており、D3Xではこうした声に応える形で高画素化を図った。
D3との違いについては、連写がD3では秒間9コマ(FXフォーマット・5:4)、同11コマ(DXフォーマット)だったが、それぞれ同5コマ、7コマになり、高画素化にともなって連写性能が多少犠牲になっている。同社ではD3Xが高速連写よりも画素数を求めるユーザーに向けたものだとしており、それでもD3よりもバッファメモリを倍増し、画素数増に対して連写速度の低下を抑えた。
D3Xに搭載されているメモリ容量は明らかにされなかったが、今年7月にD3向けに行われた有償でのメモリ増量サービスで導入されたものと同じメモリを採用しているそうだ。
ネイチャーフォトなどでより低感度での撮影を求める声に対して、D3XではISO感度の常用範囲がISO100-1600になった。D3Xでは常用範囲がISO200-3200であり、新開発のセンサーの特性を含めてより低感度側に常用範囲が変更された形だ。
低消費電力化を進めた結果、撮影可能枚数がD3の約4,300コマから約4,400コマに伸びたほか、センサーにA/Dコンバーターを内蔵したことなどにより重量が20gほど軽くなった。
そのほか、デザインや操作性はD3を踏襲しており、同社では連写速度が必要な場面ではD3、解像度が必要な場面ではD3Xと使い分けられる、としている。
なお、D3Xの実売想定価格は90万円前後となっており、D3との価格差が大きいが、特に全体の価格に占める割合ではセンサー価格の影響が大きいそうだ。