光岡自動車は3日、同社MITSUOKA東京ショールームで新型スポーツカー「卑弥呼」を発表した。卑弥呼は、1990年、2000年に発売された「ラ・セード」の後継車で、マツダ「ロードスター」をベースとしたオープン2座モデル。価格は「Himiko Standard 」の495万円から、「Himiko Hi Premium」の565万円まで。2009年モデルは4日から同社公式サイトで受付け開始。納車は2009年3月から12月までを予定している。

新型スポーツカー「卑弥呼」。ボディーカラーは黒百合(ブラックメタリック)、月下美人(ホワイトパール)、紅薔薇(メタリックレッド)の3色

「自動車にロマンを」がコンセプトの卑弥呼は、先代「ラ・セード」の「男性的な王」という佇まいに対し、「女王の気丈さ」をイメージ。ベース車のマツダ「ロードスター」のフロントフェンダー、ボンネット、バンパー、リヤフェンダー、トランク、リヤバンパーなどを同社オリジナルのデザインとしている。また"ロングノーズ、ショートデッキ"のクラシカルなプロポーションに仕上げ、フロントフェンダーとリヤフェンダーの比率を7:3とするためにホイールベースをベース車より700mm延長し、フロントオーバーハングを560mm短縮した。

ベース車・マツダ「ロードスター」の姿を感じさせないロングノーズ

クラシカルなフロントマスクは、同社のラインナップに共通する縦型グリルと丸型ランプを受け継ぎながらも、モダンさや高級感を増したデザインを採用。フロントフェンダーからリヤフェンダーにかけての一連の曲線は、豪華客船が大海を進む瞬間にとらえた波の表情をイメージしている。ターゲットユーザーは50代から70代までの男女で、子どもが手を離れ仕事も引退した夫婦などを想定している。2009年モデルは35台の受注生産。

光岡自動車のラインナップに共通する縦型グリルも継承

リヤのトランク容量も充分

クラシカルなボディと電動パワーリトラクタブルハードトップの組み合わせ

700mm延長された前部の床下部分

同社会長の光岡進氏は、「どうしても1930年代の縦型グリルのクルマたちが忘れられない。『卑弥呼』は日本人の心というか、少し控えめでいて奥ゆかしい、それでいて高級感と気品があるクルマを目指し、当社のデザイナーがうまくまとめてくれたものだ。目標の35台という数字は控えめだが、私はもっと売れると思っている」と語った。

「目標台数35台(年間)は控えめな数字だ」と語る光岡進会長

また、「卑弥呼」のデザイン・プロデュースを担当した青木孝憲氏は「卑弥呼は欧州車に負けない存在感、国産であるという安心感、そして富山県の自社工場の職人たちによる手づくりであることが自信となっている。自動車は生き様を表さないといけないと思うし、『卑弥呼』はユーザーのいきいきとした人生の一助となれるアイテムだと信じている」と述べた。

「卑弥呼」のデザイン原画の一部