Pioneers of the Inevitableは米国時間の12月2日、オープンソースのジュークボックスソフト「Songbird 1.0.0」をリリースした。ダウンロードページからWindows XP/ Vista、Mac OS X (Intel)、Linux (i686、x86_64)の対応版を入手できる。
Songbirdはメディア再生エンジンに「GStreamer」を採用している。全てのプラットフォームでMP3、FLAC、Ogg Vorbisの再生が可能。またWindows版でWMAとWMA DRM、Windows版およびMac OS X版でAACとFairPlay をサポートする。クロスプラットフォームで、幅広いオーディオフォーマットに対応したミュージックプレーヤーであると同時に、楽曲の管理・分類や検索機能に優れたミュージック・ブラウザでもある。ライブラリやプレイリストが左側に並ぶ外観、ジャンルやアーティストで絞り込む楽曲ナビゲーション、検索機能を活用したスマートプレイリスト、操作性などはAppleのiTunesを意識した作りになっている。またWebブラウザが統合されており、Webの情報やサービスにアクセスできるミュージックツールでもある。
Songbirdの最大の特徴はカスタマイズ性の高さだ。WebブラウザのFirefox同様にアドオンによる機能拡張が可能で、その組み合わせによってSongbirdの機能や使い勝手が全く異なったものになる。例えば現時点で日本語を含む25言語以上をサポートするが、日本語のランゲージパックもアドオンとして提供されている。Windows版とMac OS X版では初回起動時に以下のようなアドオンがおすすめとして提示される。
- iPod Device Support:iPodサポートの追加
- QuickTime Playback:FairPlayオーディオファイル・サポートの追加
- SHOUTcast Radio:インターネットラジオ
- Concerts:ライブラリ内のアーティストのコンサート情報
- Last.fm:Songbirdでの再生履歴をLast.fmにパブリッシュ
- mashTape:再生中のアーティストのバイオグラフィ、ニュース、写真、YouTubeビデオなどを表示
- MTP Device Support:MTPデバイスのメディア管理 (Windows版)
- Windows Media Playback:保護されたWMAファイルの再生サポート (Windows版)
このほかアドオンの管理・設定画面から「Get Extensions」をクリックすると、公開中のアドオンの専用サイトにSongbirdから直接アクセスできる。
1.0に到達したものの、まだ対応デバイスが限定的で、CDからの楽曲インポートのようなデジタル音楽ソフトとしての基本的な機能を備えていない。新しいメディアを追加・管理する機能も貧弱である。現時点ではiTunesやWindows Media Player (WMP)を不必要にするような存在にはなり得ていない。だが、アドオンが充実し、かゆいところに手がとどくようなカスタマイズが可能になれば面白い存在になりそうだ。
開発ロードマップを確認すると、今後しばらくはユーサビリティ、パフォーマンス、オーディオ機能の向上を図る。来年春には、フォルダーへの音楽追加を監視するWatch Folder、アルバムカバーアートの自動取得、ツールバーのカスタマイズ、イコライザー、CDからの楽曲インポート、オンライン音楽ストアのサポートなどが計画されている。