2009年1月1日には3年ぶりに「うるう秒」が挿入される――このような発表が今年9月12日、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)により行われた。
3年前にも実施されているため、うるう秒という単語には聞き覚えのある方も多いだろう。その名前から、時刻を調整するために1日の時間が1秒増やされるであろうことも察しがつく。
ただし、具体的にそれがいつ実施されるのか、またなぜそうした作業が必要になるのかについては、ご存知の方が少ないのではないだろうか。
本稿では、11月20日に行われたNICTの「うるう秒説明会」を基に、上記の疑問についてお答えしていこう。
うるう秒の挿入は、なんと不定期!!
そもそも、うるう秒とは一体何なのか? まずは、この点を明らかにしておこう。
NICT 新世代ネットワーク研究センター 光・時空標準グループ グループリーダーの小山泰弘氏 |
"うるう"という名前が付いていることからわかるとおり、うるう秒は時刻を調整するために挿入される秒である。ただし、うるう日が4年に一度、定期的に設けられるのに対し、うるう秒はなんと不定期。しかも、実施が決まるのはわずか半年前だという。
先に触れたとおり、前回登場したのは3年前の2006年1月1日だが、その前は7年前の1999年1月1日。さらに、1997年7月1日、1996年1月1日と続く。3年、7年、1.5年、1.5年という間隔で、まったく規則性がないことがわかる。
とは言え、もちろん気まぐれで挿入されるわけではない。NICT 新世代ネットワーク研究センター 光・時空標準グループ グループリーダーの小山泰弘氏によると、うるう秒は「ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)勧告」という規約により定義されており、BIPM(国際度量衡局)が管理する原子時である「協定世界時(UTC)」と、IERS(国際地球回転事業)が管理する「天文時のUT1」を比較し、その差が0.9秒以上になりそうなときに挿入されると決められている。
なんだか小難しい感じだが、とりあえず、厳格なプロセスを経て決定されていることはおわかりいただけるだろう。
なお、うるう秒の挿入は1月1日と7月1日のいずれかで実施される。半年前に決定される規定なので、1月1日の実施であれば前年7月、7月1日であれば同年1月に発表される。