12月1日は世界エイズデー。神奈川県臨床衛生検査技師会が実施したHIVに関する意識調査によると、HIV検診を受けたことがあると回答したのは全体の23.3%にとどまり、HIVに対する意識が依然として低いことが明らかとなった。
アンケートは2008年11月、関東5県の男女520人を対象にインターネット上で行われた。年代別に見ると、最もHIV検診を受けている割合が高いのは30代だが、3割に満たなかった。なかでも20代は11.9%と低く、同会は「20代のHIV感染者は全体の約30%を占めているという現実の下、20代のHIVに対する危機意識の低さが浮き彫りとなった」と指摘している。
県別のデータでみると、最もHIVへの関心が低いのは神奈川県の15.4%。最も割合が高かった千葉県(30.8%)と比べて2倍もの開きが生じている。厚生労働省によると、HIV感染者は20代~30代が全体の約6割を占め、1985年の統計データ開始以降の累計感染者・患者数も2008年9月に15,000人を突破している。こうした状況を受け、同会は「若者に対するHIV啓蒙・検査の必要性が高まる中、更なる検査への理解と啓発が求められている」としている。