SMBCコンサルティングは27日、「2008年のヒット商品番付」を発表した。景気減速や原油高などの不安に加え、食の安全の脅威が襲った2008年は、消費者に生活防衛意識が芽生えたことから、「家チカ(家の近く)」や「家ナカ(家の中)」を中心にヒットが生まれたという。

SMBCコンサルティング発表の「2008年のヒット商品番付」

同番付の対象となった商品の順位は、出荷台数・売上高などの実績だけでなく、その商品がマーケットに与えた意義やインパクトや新価値創造などを総合的に判断して決定したという。2008年は「横綱不在」という結果となったが、大関となった「アウトレットモール」といえば、4月に埼玉県に開業した「三井アウトレットモール」や仙台にも相次いで2カ所できるなど、ブランド品が低価格で購入でき、レジャー施設としても1日楽しめるとあってブームが起きた。もう1つの大関である「5万円パソコン」も買い替えや2台目需要を喚起し、10月の販売数量ではノートパソコン全体の25%を占めたという。

関脇のNHK大河ドラマ『篤姫』は、放送開始以来、常に視聴率20%以上を記録し、篤姫の故郷・鹿児島への経済効果は200億円以上とも言われる。食品偽造事件が相次ぐ中、本物や安心に目を向けた消費者が注目したのは、タレントの田中義剛氏が牧場長を勤める北海道の花畑牧場による「生キャラメル」で、人気が過熱ぶりから西の関脇となった。そのほか、「家ナカ」を中心に「Wii Fit」は9月末までに260万本を売り上げ、カレー鍋などの「鍋の素」はバリエーションが拡大し、クイズ番組から飛び出した「おバカキャラ」のタレントたちがお茶の間を和ませるなどした。

同社は2008年の傾向によると「価格」「安全」「エコ」「健康」「交流(つながり)」が消費者の基準となっており、2009年以降も「これらのテーマで画期的なイノベーションが起これば大ヒット商品になる可能性がある」とみている。