--オンライン音楽では、アーティストが自分の楽曲をどこまでコントロールできるのかが課題となっています。RadioheadやPrinceのように、自分たちのサイトでダウンロード提供する動きもあります。

音楽は今後、さまざまな方法で配信されるようになるでしょう。携帯電話、PC/インターネット、TV、ブランド(広告)など、さまざまなチャネルがあり、音楽配信は今後、マルチプラットフォームとなるでしょう。

これに対するアーティストの反応はさまざまで、自分の音楽がどのように配信されるのかをコントロールしたいと思っているアーティストにとっては、それが可能な時代です。選択肢が増えたと見るべきでしょう。

音楽の本質は、さまざまな方法で人々を結びつけることにあります。ユーザーから見ると、音楽にアクセスしたり、新しい音楽を発見する方法が広がっています。ユーザー側もアーティスト側も選択肢が広がり、多様化しています。

--レコードレーベルの役割はどのように変化する(した)のでしょうか? MySpaceはレーベルの代わりになるのでしょうか?

レーベルとどうかかわるのか、レーベルに何を求めるのかは、アーティストのタイプによります。

私は、レーベルはすばらしいマーケティング、ディストリビューションサービスを提供することから、必要な存在だと思っています。CDはいまでも世界中で購入されている媒体です。音楽制作にフォーカスしたいアーティストは今後も、このようなレーベルのサービスを必要とするでしょう。

先に述べたように、自分で自分のブランドをコントロールしたいのであれば、それも可能です。

--SNSを活用したエンタテインメントとして、音楽のほかにどのようなサービスがありますか?

世界で第2位のビデオサービス「MySpace TV」があります。ユーザー生成コンテンツとプレミアムコンテンツの2本柱で、英国ではBBCなどが自社チャンネルをもち、コンテンツを提供しています。

映画では、MySpace開始当初から、メジャー映画会社の映画からインディ系の映画まで、バーティカルにさまざまなことを展開してきました。映画会社向けマーケティングコンテンツのほか、オリジナルでも展開しており、英国ではユーザーが映画を製作するプロジェクト「Faint Heart」があります。映画製作の全フェーズをユーザーとコラボレーションするもので、ディレクター探し、台本作成など、ユーザーコミュニティが参加しました。この映画は、来年英国の映画館で公開される予定です。

--MySpace Musicの今後の計画と、国際展開について教えてください。

最大の音楽コミュニティというポジションを維持していきます。幅広い音楽エクスペリエンスを提供するため、ユーザーがどのように音楽を利用しているのか、消費しているのかを研究していきます。

サービスの拡充としては、チケット販売など他の収益モデルも提供する予定です。イベント、ライブのほか、広告とのタイアップも考えられます。

日本市場を含めた国際展開計画については、現時点では非公開です。

我々は、MySpaceとMySpace Musicをはじめとしたエンタテインメントサービスを非常に楽観しています。サービス(製品)やその背後にあるアイデアに自信を持っており、我々とパートナー企業にとってすばらしいチャンスを提供するものになると確信しています。