アーティストにとっては難しい時代になるのだろうか? 英国ではこの秋、アーティストが権利を求めて自分たちの権利を守る連合が立ち上がっている。
ミュージシャンのKreusch氏は、アーティストにもビジネスのセンスが必要という。「Madonnaはミュージシャンというよりも、ビジネスウーマンだ」とKreusch氏。ある程度の起業家精神が必要というのは、全員が一致した意見だ。
Kreusch氏はさらに、レコード企業が提供するような専門チームも必要だと続ける。一方、MySpaceのKantrowitz氏は、「アーティストは自分のスタイルで選べるようになった」という。MySpaceで自分の楽曲を公開し、レコード企業にスカウトされたというアーティストも出ている。若いアーティストは概して技術に違和感を感じておらず、オンライン=無料というコンセプトに慣れているとKantrowitz氏は見る。これは新しい可能性を示唆しているように見える。もちろん、技術やマーケティングではなく、音楽に専念したいアーティストもいる。
全員がトップアーティストになれるわけではないというルールは、インターネット時代でも同じだ。「トップ10は今後も存在する」とKreusch氏。The FilterのSemple氏は、「デジタルが変えたことは、音楽へのアクセス。数少ないトップアーティストが大部分の収益を生むというルールは今後も同じだ」と述べる。
オンラインでの音楽アクセスについて、(他のマーケティングと同様に)"プル"はあるのだろうか? Kreusch氏は、「iTunes」などサービスのフロントページがプルと見る。「Napsterが1対1だったのに対し、SNSはコミュニティがプルする」とMySpaceのKantrowitz氏。オンラインで大流行しているプレイリストもプルの役割を果たすとみる。
Kreusch氏はまた、オンラインで音楽を説明/表現する方法をもっと開拓する必要があるとも続ける。もっとビジュアルなエクスペリエンスが必要では、と問いかける。
パネリストは全員、音楽業界がインターネット時代に適応を始めていることで合意し、将来は非常に明るいと展望した。