C記述ソフトウェアをハードウェア化
NECエレクトロニクスは、11月19日に発表したシステムLSI「クロスブリッジ(XBridge)」の紹介などを行っている。
クロスブリッジは、同社が「プログラマブルLSI」と呼ぶシステムLSIの製品で、C言語で記述したソフトウェアをそのままハードウェア化することができる特徴を持つ。
C言語で記述したアルゴリズムを、Cベースの動作合成、論理合成、配置・配線を行い、FPGA的に回路構成を変更できる「STP(Stream Transpose)エンジン」に転送することで、STPエンジンが回路を構築、特定用途に応じた機能を持つようになる。つまり、従来必要だった、HDL化を行う必要がなくなる。
STPエンジンは、「プログラマブル演算器アレイ+DMAコントローラ」構造を採用、データ転送(DMA)と処理(プログラマブル演算器アレイ)を分割、専用化したことで、CPU負荷を低減しながら、性能と面積の向上を実現している。
ちなみにFPGAとの違いは、「配線をシェアする再構成技術を持たせたことで、チップサイズを小さくでき、小さなシステムでも使用するができる」(担当者)ということと、「システムとして出荷された後でも、メモリに回路データさえ積んでおけばシーンごとに回路構成を切り替えることができるため、複数の使い方を1つのチップでできる」(同)という。
STPエンジンの回路規模は、ゲート数としての表現は適当ではないが、おおよそ50万ゲート程度(推定値)という。
デモでは、STとPC向けCPU(IntelのCore 2 Duo)によるストリーム処理の速度比較などが行われているが、「組み込みCPU」に比べ10~100倍の処理速度を実現しているという。
また、このほか、設計ツールを開発環境に入れることで、すべてを同じGUIで操作できるようにした「かんたん&快適」を打ち出した統合開発環境「CubeSuite」のデモ展示や、11月14日に発表したアナログTVでも地デジを使用可能にするチューナLSI「EMMA2TS」のデモ展示が行われていた。