『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』で知られる矢口史靖監督の最新作『ハッピーフライト』。15日に公開初日を迎え、東京・有楽町にて、主演の田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるから総勢19名をゲストに舞台挨拶がおこなわれた。
ANA(全日空)の全面協力の下、ある日のホノルル行チャーター便に関わる人々の姿をコミカルに描いた本作。劇中そのままの副操縦士の姿で登壇した田辺は、「本日はご搭乗ありがとうございます。皆さんのおかげで、『ハッピーフライト』も無事離陸することができました。これから上昇気流に乗って、大ヒット目指して飛んでいきたいと思いますので、ぜひ力をお貸しください」と"ヒコーキ映画"であることを意識しながら挨拶した。
続いて新人CA役の綾瀬が、「今回は、私と真逆の役を演じさせていただいて……」と話すと、自然と会場から笑いが起きる。矢口監督からも、「あれ、素じゃなかったんですか?」とツッコミが。その後のトークでも綾瀬の天然ぶり(?)はいかんなく発揮され、「J会社の方に……他社ですが(笑)、『ぜひ見たいと思います』とお声をかけていただきました」「(チーフパーサー役の)寺島さんはとても優しい方。でも、なんだか非常に身が引き締まる思いがしました」と際どい発言を連発し、そのたびに観客、出演者ともに爆笑が起きる。
寺島しのぶは綾瀬について、「見ているのが珍しいっていうくらいの生き物だなあと(笑)。そんな感じで毎日観察していました」、同じくCA役の吹石一恵は、「はるかちゃんは一緒にいる人たちをみんなツッコミにしてしまうような人。とにかくツッコミどころ満載で、スキンシップの一環として楽しんでいました」。綾瀬のキャラは他の出演者にも大きなインパクトを与えたようだ。
一方、矢口監督による演技指導に話が及ぶと、「抽象的だけどすごく面白いんですよ」と寺島。「私の場合、最初から『女性を通り越して、アニキになったつもりで演じてください』と言われて。セリフも、パンダを竹で割ったような感じで……」と言いかけたところで、監督が、「竹とパンダを一緒に真っ二つにするくらい、スパッと切れる感じで喋るようにと説明しました」と補足した。しかし、そう言われてもどういう演技をすればいいのか、寺島には想像がつかなかったとか。
これを受け、MCが「綾瀬さんも、監督の演技指導は受け入れづらかったのでは?」と聞かれると、「いえ、すべてを受け入れてました」。その言葉に会場は大爆笑。結局ここでも、綾瀬のキャラがおいしい所を全部持っていった形となった。