『ミシュランガイド東京2009』が21日に発売となる。昨年発売となった2008年版は予想以上の売り上げから品切れとなる書店も少なくなかったようだ。そんな注目度の高かった『ミシュランガイド東京2008』に掲載された星付きレストランを"辛口レストラン評論家"である友里征耶さんが覆面&自腹で取材し、1冊にまとめたのが『ガチミシュラン 自腹・覆面で食べ歩いた星付きレストラン89+9』(発行: 講談社・1,575円)だ。『ミシュランガイド東京2009』の発売日の約1週間前の13日に発売というのも意図を感じたり……。友里さんのどのような辛口評が飛び出すのか、ドキドキしながら本を広げてみた。
ミシュラン3つ星でも……星なし
同書では、『ミシュランガイド東京2008』で星を獲得したレストラン150軒のうち89軒を取材し、掲載している。まずは、2008年版で3つ星を獲得したレストランを友里さん視点で見ると……
「味、CP(コストパフォーマンス)含め、どこを見ても3つ星の要素は皆無」
「今は時代遅れの世界一高額なだけの~(後略)」
といった具合だ。ここまでバッサリと斬っていると、逆に清々しささえ感じてしまう……。
フードライターやレストラン評論家として飲食店を取材をしていると、取材費用を店側が負担してくれたり、シェフの優しい人柄に触れて感動してみたり、「よかったらこれも食べていってください」などといわれることも少なくない。そんな中でも料理人との距離を適度に保ちながら、記事を仕上げていくのが理想的なフードライター、レストラン評論家の仕事といえるのではないだろうか。その理想を追求するために友里さんは、レストラン評論家としてデビューして以来、約5年にわたって極力"自腹&覆面"に徹しているのだという。
同書は『ミシュランガイド東京2008』の3つ星、2つ星、1つ星の順で紹介がなされており、1つ星のコーナーにもなると友里さんの強烈なコメントの嵐だ。そんなコーナーの次に現れるのが、「ミシュランには載っていない友里のオススメ」(3つ星5軒、2つ星4軒)である。あんなにバッサリとぶっ飛んだコメントでレストランを斬ってきた人が、「~の良さが抜群」「ランチ5000円でも納得できるレベルの高さ」と高評価をつけているのだ。う~む、気になる。"辛口"の人が褒めまくりなのだから、気になりますよ、そりゃあ。
そして4日後の21日。私は発売日当日にゲットした『ミシュランガイド東京2009』を片手に、「友里さんならこの店にどんな評価を下すのだろう」と思っているに違いない(やっぱり『ミシュランガイド東京2009』も気になるんです)。