Booksベストセラー週間総合ランキング11月7日~11月3日では、『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂 尊)、『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。
11月7日~11月3日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)
順位 | 書籍名(出版社) | 著者 |
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1位 | 聖女の救済(文藝春秋) | 東野圭吾 |
2位 | ガリレオの苦悩 | 東野圭吾 |
3位 | イノセント・ゲリラの祝祭 | 海堂 尊 |
4位 | 流星の絆(講談社) | 東野圭吾 |
5位 | 東大合格生のノートはかならず美しい | 太田あや |
6位 | 竹中式マトリクス勉強法(幻冬舎) | 竹中平蔵 |
7位 | O型自分の説明書(文芸社) | Jamais Jamais |
8位 | 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) | 水野敬也 |
9位 | 悩む力(集英社) | 姜 尚中 |
10位 | モニタールーム(角川書店発行/角川グループパブリッシング発売) | 山田悠介 |
Booksベストセラー週間総合ランキング11月7日~11月3日では、『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂 尊)、『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。
新登場で3位に入った『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂 尊)は、作者のデビュー作『チーム・バチスタの栄光』から続く大学医学部付属病院を舞台としたシリーズの最新作。現代の医療界や厚生労働省の現状および抱える問題点を現役の医師ならではのリアルな視点で描き出している。人物描写によるヒューマンドラマというよりも社会構造全体に対する問題提起という面が色濃く現れた小説と言えよう。
新登場5位の『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや)は、東大合格者のノートを200冊以上集めたという著者が、その「法則」とも言える共通点を公開するというユニークな本。本の装丁自体もノートのようになっており、東大合格者らのノートを原寸大でカラー掲載しており、実例が多くて参考になる」などと反響を呼んでいる。
今週の注目
落語家はなぜ噺を忘れないのか(角川SSコミュニケーションズ / 柳家花緑 / 税別800円)
大きく分けると「お笑い」の一ジャンルでありながら、今や「古典芸能」に分類されそうなのが落語。朝ドラで落語が取り上げられて「落語ブームが来る」と言われたりもしたが、結局そんなブームはそれほどやって来なかった。とは言え、「ブームなんざあヘタに来ないほうがいいんだ」とどっしり構えているのが真の落語ファンというものだろう。そんな方にお勧めしたいのがこの一冊。五代目柳家小さんの孫である著者が、ネタの覚え方や作り方など自らの頭の中一切を惜しげもなく公開したという貴重な本だ。
著者の柳家花緑がこれまでに覚えたネタの数は145本。だが、いつでも高座にかけられるネタの数は24本と以外に少ない。何度か稽古しておけば高座にかけられるのが72本。また、高座にかけたことはあるが作り直す必要がある「死にネタ」はなんと49本にも上るという。落語家はいくらでも噺を暗記しているかのように見えるが、実際にはそうでもないというのが事実のようだ。
とはいえ、落語家は30分もしくはそれ以上の長い噺を何も見ずに演じきるのが当たり前。著者によると、噺を演じる時には頭の中に単に台詞だけが浮かんでいるのではないのだという。落語家が噺を忘れない秘密については本著を読んでのお楽しみ。
著者は落語が伝承芸であることを深く認識しつつも、「江戸時代の寄席は毎日が新作発表だったはず」と現代に合わせた新たな試みも必要だと考える。読むと明日の落語界に期待が湧いてくる一冊だ。