――スピードで言えば、「Adobe Bridge CS4」も高速になりましたね。

「Adobe Bridgeに関しては、操作速度に関して多くのお客様からコメントを頂いていましたので、パフォーマンスにはかなりの時間を割いて開発しています。具体的にAdobe Bridgeでパフォーマンスを向上する方法は、メモリの消費を最小限にするため、通常はアイドル状態になっていて、必要なときに呼び出してすぐ起き上がるようになっています。また、コンタクトシートの作成も早くなりましたし、WebフォトギャラリーやPDFプレゼンテーションが作成できるアウトプットモジュールも用意しています。これらは元々Adobe Photoshopに搭載されていた機能ですが、お客様の使い方を考えればAdobe Bridgeにあったほうが良いだろうとなったわけです。そして、RAWデータやDNG フォーマットがそのまま見られるのもAdobe Bridgeの強みですね」

――Adobe Photoshop CS4でインタフェースが変わりましたが、このリスクは考慮されましたか?

「古いコードベースを変えることは、常にリスクを伴います。しかしながら、業界全体が大きく変わりつつある中で、Adobe Photoshopとして正しいこと、そしてお客様にとって正しいことをやっていかなければなりません。今回は、リスクの高い変更が求められる結果が求められました。私自身Macユーザーですから、新しいインタフェースはWindowsのようであまりなじみませんでした。そこで、今までと同じインタフェースも選べるようにオプションを用意しています。Adobe Photoshopはお客様に非常に愛されているソフトウェアですから、その信頼を裏切らないようにすることも私たちの役割だと思います」

――テストユーザーから人気のあった機能はどんなところでしょうか。

「新機能に対しては、米国で非常に前向きに捉えられています。面白いのは新しい機能に対しての評価が高いというより、既存のワークフローが改善できる、今までより作業が簡単になった、ベストプラクティス(最も効果的、効率的な実践の方法)を享受できるといったところが受けているところです。実際にお使いいただいたユーザーからの評価では、非常に小さな機能だけど大きなインパクトを与える機能に人気が集まりました。たとえば、「スムーズなズーム」、「シャープなレンダリング」、「覆い焼き」、「焼き込み」といった機能です。各リリースでお客様にフィードバックしていただいたリクエストは、声や、内容の大小にかかわらずできるだけ新機能として搭載していきたいと考えています。もちろん、すべてのリクエストを盛り込むことはできませんが、常にお客様から挙がってくる小さな苦情、小さなリクエストには耳を傾けています。今回のバージョンアップでは、こうした小さな機能向上が期待以上の効果を生むと思います。ぜひ、新バージョンを使っていただきたいですね」