「Adobe Photoshop CS4」は、レンダリングエンジンを新たに開発したことで新たに3Dオブジェクトの編集機能を搭載するなどの機能強化が図られた。今回、Photoshop Product ManagerであるZorana Gee氏に、Adobe Photoshop CS4の概要について伺った。
――Adobe Photoshop CS4のリリースにあたって、いちばん伝えたいところはどんな点でしょうか。
「まずは、Adobe Creative Suite 4の共通したスローガンである生産性、効率化が大きく向上した部分です。リリースに際して着目したのは、まずは既存機能に対する改善です。次に、お客様が新たにクリエイティブな道を模索できるような機能を提供すること。この2つの面でバランスを取る道を模索しました。大きな変更点としては、3Dエンジンに関して新たにプログラムを書き直したということでしょうか。Acrobat 3Dエンジンに頼りながら、すべて新たに開発し直しています」
――その成果が「Adobe Photoshop CS4 Extended」に搭載された機能ですね。Adobe Photoshop CS4 Extendedに3Dエンジンを入れるメリットは何でしょうか。
「3Dクリエイターの方は、すでにAdobe Photoshopもお使いいただいていることが多いので、まずはアプリケーション間のやり取りを効率化したいということがありました。たとえば、テクスチャの追加やアニメーションの作成、3DモデルへのペイントなどがすべてAdobe Photoshopでできれば、作業効率も上がりますし、時間も節約できます。新機能を搭載することでパワフルなマシンが必要かと心配されるかもしれませんが、出荷前に市場に出ているビデオカードでの検証を行っているので、問題はありません。今市場に出ているビデオカードとの互換性は保っていますし、今後も問題なく動作すると確信しています。 実は、私自身デモンストレーションを「ATI 1600」を搭載したPowerBook G4で行っているのですが、それほどストレスは感じませんよ」
――確かに問題なく動いていましたし、スピードも遅くは感じませんでした。2Dイメージを扱う代表格だったAdobe Photoshopも、いつの間にか3Dの世界を取り込んでいたんですね。
「Adobe Photoshopはすでにアドビ社の中でも古参にあたる長い歴史を持つソフトです。「Extended」と名前が付いている理由は、新しいAdobe Photoshopの機能を備えたソフトウェアであることを示すためでもあるんです。ただ、3Dエンジンを使って2Dのイメージに新たな機能を加えることもできます。たとえば、3Dの「ライト(光)」機能を使えば、2Dのイメージに新たな光源を加えることができますし、「タイルペインティング」機能は何度も使うテクスチャに対してシーム(縫い目)を特定できますが、これも新しい3Dエンジンを活用しています。レタッチに関する新機能でも、普通はできない効果をすごく簡単にやっています。実際の作業の85%がなくなってしまうと言うほどです。今は時間がいちばん重要視されています。そのため、Adobe Photoshop CS4は「時間節約」を目的にするだけでもアップグレードの価値があります」