米AMDは13日(現地時間)、サーバー・ワークステーション向けのクワッドコアCPU「Opteron」において、初の45nmプロセス製品となる「Shanghai」(開発コードネーム)を発表した。Opteronとしては第4世代目にあたる製品で、ソケットは従来と同じSocket F(1207)。65nmプロセスの現行製品「Barcelona」(同)からは、わずか1年2カ月という早いタイミングでの移行を実現した。
今回、45nmプロセスの新型Opteronとして発表されたのは、以下の9モデル。2way向けの5モデル、8way向けの4モデルで、ACPは全て75Wの製品。どちらも最高クロックは2.7GHz(x384)となっており、現行の75W版の同2.3GHz(x356)からは大幅に高速化された。現行製品は105W版でも最高クロックは2.5GHz(x360 SE)だったので、新プロセスは省電力かつ高性能を実現したと言えるだろう。なお、45nmプロセスのSE(105W)とHE(55W)については、2009年Q1に登場する予定。
■2300シリーズの新モデル(価格は1,000個ロット時の単価) | |||
モデル | 周波数 | ACP | 価格 |
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2384 | 2.7GHz | 75W | 989ドル |
2382 | 2.6GHz | 75W | 873ドル |
2380 | 2.5GHz | 75W | 698ドル |
2378 | 2.4GHz | 75W | 523ドル |
2376 | 2.3GHz | 75W | 377ドル |
■8300シリーズの新モデル(同) | |||
モデル | 周波数 | ACP | 価格 |
---|---|---|---|
8384 | 2.7GHz | 75W | 2149ドル |
8382 | 2.6GHz | 75W | 1865ドル |
8380 | 2.5GHz | 75W | 1514ドル |
8378 | 2.4GHz | 75W | 1165ドル |
Shanghaiは、同社初となる45nmプロセスのCPUであり、露光には液浸リソグラフィを採用した。これについて、「45nmでは特に必要というわけではなかったが(現にIntelは45nm世代でドライ露光を採用している)、32nmでは必須になる。早い段階でこの技術を活用することで、32nmへの移行を容易にしたかった」と狙いを説明するのは、同社サーバー・ワークステーション部門ビジネス・デベロップメント ディレクタのJohn Fruehe氏。歩留まりも良好で、「もともと2.5GHzを狙っていたが、2.7GHzで出せるようになった」という。
45nmプロセスに移行したほか、Barcelonaからは以下のような変更点がある。こういった改良によって、同クロック時でも「20%程度の性能向上がある」(Fruehe氏)そうだ。
- L3キャッシュ容量の強化(2MB→6MB)
- HyperTransportのバージョンが3.0に
- メモリの高速化(DDR2-667→DDR2-800)
- 最大21%の消費電力削減が可能な「AMD Smart Fetch」の実装
- RVIの強化による仮想化機能の高速化
Barcelonaのソケットとは互換性があり、過去のプラットフォームを引き継いで利用することが可能だ。命令セットには特に拡張はないとのこと。
また同社からは、Shanghaiのベンチマークテストの結果が公表されている。従来、あまり得意でないとされた整数演算やJavaにおいても、大幅にスコアが向上しているのが分かる(グラフは、濃い緑色がShanghai/2.7GHz、明るい緑色がBarcelona/2.3GHz、グレーがXeon/3.0GHz。いずれも2Pのシステムで比較)。
日本AMDの吉沢俊介社長は、「今回の製品については非常に自信がある」とコメント。「45nm SOIプロセスでは、すばらしいトランジスタができた。来年はたくさん発表できると思うので、これから出てくる45nm製品についても期待していただきたい」とアピールした。