デルの「Inspiron Mini 9(以下、Mini9)」は、標準でSSDを搭載した低価格Netbook(ネットブック)だ。OSにUbuntu 8.04を採用した「Inspiron Mini 9ベーシックパッケージ」(以下、Ubuntuモデル)は直販価格34,980円、Windows XPを搭載した「Inspiron Mini 9 イー・モバイルにねんMAX付きプレミアムパッケージパッケージ」(以下、XPモデル)が100円となっている。また16GBのSSDを採用した「Inspiron Mini 9 プラチナパッケージ」は、49,980円である。本稿では、イー・モバイルのデータ通信カード「D11LC」を除いた状態でXPモデルを試用し、その使い心地を検証した。

主な仕様 [CPU] Intel Atom N270(1.6GHz)   [メモリ] 1GB   [SSD] 8GB   [光学ドライブ] なし   [グラフィックス] Intel GMA950(チップセット内蔵)   [ディスプレイ] 8.9型ワイド (1,024×600ドット)   [サイズ/重量] 232(W)×172(D)×27.2~31.7(H)mm/約1035g   [OS] Windows XP Home Edition SP3   [直販価格] 100円(イー・モバイル「にねんMAXプラン」同時加入者限定)

本体のデザインと使い心地を検証

国内初のUbuntu搭載Netbookとして話題になったMini9だが、ここではXPモデルを試用した。XPモデルの場合、SSDの容量は8GBで、メモリは1GB。Ubuntuモデルの4GB SSDとメモリ512MBではさすがに快適には動かないので、上位パーツが採用されている。そのほかのスペックはUbuntuモデルと同様で、CPUにはAtom N270(1.6GHz)を採用、液晶ディスプレイは8.9型ワイドのWSVGA(1,024×600)で、無線機能はIEE802.11b/gに対応している。9月末にデュアルコアのAtom 330が発表されているので、ややCPUパワーに物足りなさを感じるが、OSがXP(SP3)であることを考えれば十分だろう。

光沢感のあるグロス仕上げのボディ。本体カラーはパール・ホワイトとオプシディアン・ブラックの2種類が用意されている

まずはボディからみてみよう。本体のサイズは幅232×奥行き172mmで、Netbookの中では小さい部類に入る。B5サイズよりもやや大きい程度だ。重量は約1035gで、Netbookの平均よりもやや軽い。ACアダプターと合わせても約1.2kgしかないので、持ち運びは苦にならないだろう。特徴的なのは、光沢感のある天板カラー。今回試用したのはパール・ホワイトだが、かなりツヤツヤで、カッコいいというよりも、かわいいデザインである。清潔感のある色合いなのだが、あまりにもツヤがありすぎて、指紋や油脂が目立ってしまうのが気になった。オプシディアン・ブラックのモデルでは、よりいっそう目立つかもしれない。ふたを開けると、天板のデザインとはうって変わって、いかにもPCらしいデザイン。シルバーとブラックを基調としていて、落ち着いたイメージを与える。表面はマットな仕上がりで手触りもよく、筆者としてはツヤツヤタイプよりもこっちのほうが好み。

液晶ディスプレイは8.9型ワイドのWSVGA(1,024×600)で、表面はグレア加工の光沢タイプだ。Netbookとしては平均的な画面サイズながらも、他メーカーの製品ではWXGA(1,280×800)の機種もいくつかリリースされているので、やや大きさに物足りなさを感じてしまう。とはいえ、Webサイトの閲覧でもブラウザを全画面で表示すれば問題なく、ちょっとしたソフトを使う分にも十分な解像度だ。ドットピッチも十分で、アイコンや文字が小さくて見えにくいということもない。

8.9型ワイドの液晶ディスプレイ。コントラスとはやや低めだが、全体的に色味は美しい

液晶ディスプレイで気になったのは、映り込みが激しい点だ。光沢タイプの性とはいえ、ほかの光沢タイプのマシンに比べても、映り込みやすいように感じた。液晶ディスプレイの角度を変えればある程度は抑えられるが、上下の視野角が狭いために、極端に角度を付けると見えにくくなったり、色味が均一に表示されなくなったりする。液晶の見栄え自体は悪くないので、この点が残念だ。

液晶ディスプレイは光沢タイプのため、光の映り込みが気になる