NECが、同社初のNetbook(ネットブック)「LaVie Light」を発売した。CPUやディスプレイ、グラフィックスなどの基本スペックはライバル機と同等だが、上質なボディ外装や打鍵感のよいキーボード、オリジナルのランチャーソフトなど、国内大手メーカーならではの品位の高さと使い勝手のよさが魅力になっている。
主な仕様 [CPU] Intel Atom N270(1.60GHz) [チップセット] Mobile Intel 945GSE Express [メモリ] 1GB(最大1GB) [HDD] 160GB [ディスプレイ] 8.9型ワイド(1,024×600ドット) [サイズ/重量] 約W250×D176.5×H31.3~36.5mm/約1.17kg [OS] Windows XP Home Edition [直販価格] 64,890円
質感が高く剛性のあるボディを採用
ここ最近、IntelのAtomをベースにしたミニノート、いわゆるNetbookの販売が非常に好調で、PC市場全体の2割を占めるまでになっている。参入メーカーも急速に増え、製品のバリエーションが充実しつつある。国内大手メーカーも、そんな成長著しい市場を黙って見ているわけがなく、9月に製品を発表した東芝に引き続き、10月にはNECが「LaVie Light」を引っさげて参入。さらに盛り上がりを見せている。
もっとも、製品の選択肢が増えたとはいっても、Netbookの基本的な仕様自体は各社とも共通している。液晶の解像度や採用するCPU、搭載するメモリ容量、グラフィックスなどにほぼ差はなく、どれを選んでもほとんど同じ。しかし、筐体のデザインやキーボードの造り、コントロールデバイスなどのスペック表に現れにくい部分に少なからぬ差があり、それがマシンの個性につながっている。実際に使用してみると、その「個性」が使い勝手に大きく影響しているのを実感するはずだ。
NECのLaVie Lightは、Netbook市場では後発ということもあり、細かな部分まで使い勝手が練りこまれているのが特徴だ。たとえば、ボディは凹凸がほとんどないフラットなデザインで、カバンの中に収納しやすくなっている。また、天板は耐圧150kgfの強度を確保しており、満員電車のような人ごみで圧迫されても故障しづらい。外装の質感も高く、低価格ノートにありがちなチープさはまったく感じられない。これなら、プライベートはもちろん、ビジネスやフォーマルシーンでも周囲の目を気にせず使用できるはずだ。
1クラス上の打鍵感を実現したキーボードが魅力
Netbookのような小型ノートで問題になりやすいのが、キーボードの打ちやすさだ。本体サイズを小さくしようとすればするほど、筐体の幅も狭まりキーピッチが犠牲になってしまう。そのため、一部の製品では特殊なキー配列を採用して搭載するキーの数を減らしたり、使用頻度の低いキーを小さくしてキーピッチを稼いでいるものもある。短時間の使用ならともかく、長文を入力する際などは、こうした「妥協」がストレスにつながることが多い。しかし、LaVie Lightのキーボードの場合は、一般的なノートとほぼ同じ配列なうえキーピッチを17mmも確保しており、長時間の使用でもイライラがつのることはほとんどない。
もっともその分、Netbookとしては本体の幅が若干広めになっており、液晶周辺のベゼルもライバル機に比べて太い。そのため、ぱっと見で液晶サイズが小さめに見えてしまうのが少々残念。ただし、液晶自体はノングレアタイプで映り込みが少なく非常に見やすい。発色も素直で、写真や動画も十分楽しめるはずだ。
なお、ファンクションキーを搭載しているためか、パームレスト部分に余裕が少なく、タッチパッドのサイズも小さめ。クリックボタンはパッドの左右に装備されており、慣れるまで少々使いづらい。その代わり、パッドはジェスチャー機能に対応しており、クリックボタンを押さなくてもズーミングなどの操作が行えるようになっている。