三洋電機は11日、ICレコーダー「DIPLY(ディプリ)」シリーズの新モデル「ICR-PS603RM」「ICR-RS110MF」「ICR-S003M」の3機種を発表した。発売は11月21日で、価格はオープン。推定市場価格は、ICR-PS603RMが3万2,800円前後、ICR-RS110MFが2万9,800円前後、ICR-S003Mが1万円弱。
ICR-PS603RMは、4月下旬に発売した「ICR-PS1000M」に続く、X-Y型指向性ステレオマイク搭載の高音質なリニアPCM録音対応レコーダー。ICR-PS1000Mとの最大の違いは、指向性のあるX-Yマイクだけでなく、無指向性のステレオマイクも内蔵する「4マイクシステム」を採用する点だ。音楽の録音などには、指向性に優れたX-Yマイクを使用し、会議などの録音には、全方向からの音を録音する無指向性のステレオマイクを使用する。
マニュアル録音時のレベル調整機能&ピークリミッター機能などはICR-PS1000Mと同様だが、ICR-PS603RMではさらに「シーンセレクト」機能を新搭載。音楽、会議、講義、口述といったシーンを、本体に装備された「シーンセレクトボタン」で選択すると、場に適したファイルフォーマットとマイクの種類などが自動選択されるというもの。
「シーンセレクト」機能を使えば、録音対象に合わせた設定が簡単にできる |
また、ユーザーが選んだ設定を「お気に入り」に3個まで登録可能だ。録音に使用可能なフォーマットは、32kbps~320kbpsまでのMP3形式と、サンプリング周波数48kHz/44.1kHzのリニアPCM形式。4GBの内蔵メモリに加え、microSDカードも使用可能(microSDHCにも対応)で、より長時間の高音質録音にも対応できる。電源は、ICR-PS1000Mの単3形アルカリ電池またはeneloop×1から、単4形アルカリ電池またはeneloop×1に変更した。MP3形式の場合は約19時間、リニアPCM形式の場合は約9時間の連続録音が可能だ(eneloop使用時)。
また、スライド式USBダイレクト接続とUSB2.0高速データ転送が採用されており、電源にeneloopを使用した場合はPCに接続して充電可能だ。本体のサイズは、約35.4(W)×約120(H)×約13.9(D)mm、重さは約58g(電池含む)。なお、ICR-PS603RMには、同社が10日に発表したノイズキャンセルLSI「LC70301LG」が採用されている。LC70301LGは、雑音推定のアルゴリズム見直しとメモリの大容量化により、背景雑音を1/20以下にまで低減するチップ。0.15μmプロセス技術の採用で、消費電流は従来の1/2となる15mAにまで削減されている。
ICR-RS110MFは、AM/FMラジオを内蔵したICレコーダー。予約録音機能を搭載し「毎日、毎週、1回(24時間以内)」といった録音も可能だ。なお、予約録音の件数は5件まで。正確な予約録音を実現するために、ラジオの時報による自動時刻修正機能も搭載される。また、アンプ内蔵の外部スピーカーとして使用可能なクレードルが付属するのも大きな特徴(出力0.5W×2)。クレードルには、屋内などでも、より良好な受信のための外部アンテナ端子も装備されているほか、電源にeneloopを使用した場合には充電も可能だ。
使用可能な録音フォーマットは32kbps~192kbpsまでのMP3形式と、サンプリング周波数44.1kHzのリニアPCM形式(ラジオの録音は128kbpsのMP3形式のみ)。録音可能な件数は、音声/音楽/AMラジオ/FMラジオの各フォルダに199件ずつと、5個ある予約録音フォルダに各199件ずつとなっている。記録媒体はmicroSDとなっており、本体内にメモリは内蔵されていない(2GBのmicroSDが付属)。カードスロットはmicroSDHCにも対応しており、長時間高音質録音も可能だ(1つの録音ファイルは、最大2GBまで)。電源は単3形アルカリ電池×1、または単3形enelooop×1を使用する。eneloopを使用した場合、MP3形式では約43時間30分、リニアPCM形式では約19時間30分の連続録音が可能だ。本体のサイズは、約49.5(W)×約113.5(H)×約18(D)mm。重さは約92g(電池含む)。クレードルのサイズは、約193(W)×約124.5(H)×約100(D)mm。重さは約520g。クレードルの電源はACアダプター。
ICR-S003Mは、SDカードを記録媒体とするレコーダー。約36.6(W)×約96(H)×約13.3(D)mm、重さ約52g(電池含む)と、SDカードスロットを搭載したモデルとしては、薄型ボディを実現している。なお、本体内にメモリーは内蔵されていないが、1GBのSDカードが付属する。さらに、エントリークラスでありながら、本体にステレオ録音ができるマイクを搭載している点も大きな特徴。録音フォーマットはMP3形式で、ビットレートは32kbps(LPモノラル)、64kbps(HQLPステレオ)、192kbps(HQステレオ)。電源は単4形アルカリ電池×1で、HQLPステレオモードの場合、約29時間の録音が可能だ。