パナソニックは10日、トップユニット冷蔵庫「NR-F503TE」「NR-F603T」を発表した。発売は12月1日で、価格はオープン。推定市場価格は、NR-F503TEが27万円前後、NR-F603Tが29万円前後と予想される。

真空断熱材の改良で省エネ性能がさらにアップした「NR-F503TE」

NR-F503TEは、10月に発売した「NR-F503T」の省エネ性能をさらに向上させたモデル。NR-F503Tは、冷凍温度帯を集中させる新レイアウトやコンプレッサーの運転パターン、ヒーター制御の最適化などが行われており、年間の消費電量が2007年に発売したNR-F472Tの560kWh/年から、380kWh/年へ省電力化したモデルとなっている。今回発表されたNR-F503TEでは、これらに加えて、真空断熱材を改良。同社の冷蔵庫に使用されている真空断熱材は、「U-VacuaIV」と呼ばれるもので、ガラス繊維による多孔質の芯材の周囲をアルミ蒸着のラミネートフィルムでくるんで内部を減圧したもの。芯材と外皮との接点が少なく、断熱性能が高いのが特徴だ。NR-F503TではU-VacuaIVの厚さを、8mm(NR-F503T)から10.5mmに増やすことで、さらに断熱性能をアップ。年間消費電力量を350kWh/年にまで抑えている。なお、断熱材の厚みは増しているが、定格庫内容量はNR-F503Tと同じ501Lを確保している。NR-F603Tは、NR-F503TEと同様の構造で、さらに大容量化したモデル。定格庫内容量は603L。年間消費電力量は440kWh/年となっている。

両製品とも、省エネ性能以外の部分では、NR-F503Tに採用されていた機能を踏襲。「新鮮凍結」機能も採用されている。新鮮凍結とは、融点約-15°Cの蓄冷材が封入され、アルミの約400倍の熱吸収力を持つ「新鮮凍結プレート」と、約-40°Cの冷気の組み合わせにより、氷の結晶ができやすい-1℃から-5℃の温度帯を、業務用の冷凍庫並みの速度で通過させるというもの。食品の細胞破壊を防ぐだけでなく、ごはんなどの食品を熱いまま入れても周囲の食材に対する熱影響はほとんどないという。