調査会社の英Canalysは11月6日(英国時間)、2008年第3四半期(7-9月期)の世界スマートフォン市場報告書を発表した。同期、スマートフォン市場は前年同期比約28%増で成長するなど、順調に拡大した。ベンダー別シェアでは、「iPhone」の米Appleがシェア2位に躍り出るなど大きく躍進した。

第3四半期、スマートフォンの出荷台数は前年同期比27.9%増の3985万台となった。スマートフォンは携帯電話全体の13%となり、この比率は前期(2008年第2四半期)の11%から2ポイント上昇した。

同期のスマートフォン市場は、7月に世界ローンチを果たしたAppleの「iPhone 3G」の影響が随所に現れた結果となった。地域別には、iPhone人気が高い北米地区が前年同期の倍ペースで成長。欧州・中東・アフリカ(EMEA)地区は21%増で伸びた。前年同期比43%増で伸びた中央・東欧が牽引した形だ。一方、アジア太平洋地区は、日本市場の携帯電話販売台数減少を受け、前年同期比18%減となった。

ベンダー別シェアは、フィンランドNokiaがシェア38.9%を獲得して1位を守った。2位には、カナダResearch In Motion(RIM)に代わって、出荷数が前年同期比523%増で急成長したAppleが浮上、RIMは3位となった。シェア値はそれぞれ、Appleが17.3%、RIMが15.2%。4位は米Motorolaと台湾HTCで、ともに5.8%。

トップのNokiaは出荷数が前年同期比3.4%減となり、シェア値は51.4%から12.5ポイント落とした。逆に、Appleのシェア値は前年同期の3.6%から13.7ポイントアップとなる。RIMは3位に後退したものの、台数成長率は83.5%増で、Canalysは「注目に値する」と評価している。台湾HTCも、前年同期比171.4%増で成長し、トップ5中2番目に高い成長率をマークした。

OS別シェアは、日本市場の影響を受けた英Symbianが前年同期比12.4%減の46.6%で1位。前年同期68.1%から21.5ポイントもシェア値を下げた。2位はAppleで17.3%、3位はRIMで15.2%、4位は米Microsoftで13.6%、5位はLinuxで5.1%。AppleとRIMはベンダー別シェアと同じ増加率で、Microsoftは前年同期比42.9%増、Linuxは同49%増。このように、首位のSymbian以外はどこもシェアを拡大させた。

今年10月に米Googleの「Android」搭載携帯電話が米国で登場したこともあり、今後もスマートフォン市場は新規参入と既存ベンダーの攻防戦が激しくなりそうだ。