ミズノは10日、ヒマシ油からできた「新素材ペバックス・アールニュー」を採用した高機能ランニングシューズ4機種を世界各地で発売した。日本国内での発売は3機種。環境に優しく、資源を節約する素材で、製造過程でのCO2削減にも効果があるという。同素材を採用するのは、スポーツシューズでは同社が初となる。
新素材は熱可塑性エラストマー(高分子化合物)で、フランスの化学会社「アルケマ社」が開発。フランス経済産業省が環境に優しい素材や耐久性の高い素材の開発に対して贈る「ポティエ賞」を受賞している。ミズノでは新素材をクッション性と安定性を両立させた独自の波型プレート構造部分「ミズノウエーブ」の70%以上に使用する。同部分の製造段階で排出されるCO2を、従来のプラスティック製造と比較して約25~30%削減(アルケマ社調べ)できる。また、化石燃料ではないヒマシ油から製造されるため、プラスティック製造に必要な石油の28~29%を節約できる。
同社では、「新素材は要求する機能性を十分に備えており、環境を意識したものづくりを進めている同社の方針と合致したことから採用を決めた」としている。今回のような「環境配慮型商品」の同社での割合は2007年度で約21.6%、2010年度には30%まで引き上げることが目標だという。