東京・新宿の「モード学園 コクーンタワー」で4日、竣工披露会が行なわれ、関係者に地上50階から地下2階までの各フロア(一部を除く)が公開された。コクーンタワーは、専門学校「東京モード学園」などを運営する学校法人モード学園の新校舎で、繭(まゆ)をイメージした斬新なデザインの超高層ビル。西新宿超高層ビル群に新たに仲間入りし、新宿西口の新たなランドマークとして注目されている。
モード学園コクーンタワーは旧朝日生命本社跡地に建てられた。周りには損保ジャパンビル(旧安田火災海上ビル)やスバルビルも見える。その名のとおりコクーン=繭をイメージしたデザインになっている。(繭の画像は有限会社繭家提供) |
設計は、西新宿では「東京都庁舎」「新宿パークタワー」などを手がける丹下都市建築設計。コンセプトについて建築主の学校法人モード学園は「創造する若者を包み込み、触発させるインキュベーション空間を創出しています。教育施設としての交流機能を持たすべく学生サロンを配し、全体を立体キャンパスととらえ従来の学校建築とは異なる構成により、今までにない超高層学校建築を実現しています」と発表している。モード学園によると、階数は地下3階、地上50階。地上高層部の構造は、インナーコアと3つのダイアゴナル・フレームで構成されている。15階~39階には、内部にオイルダンパーを配置し、減衰力を加えることで、地震や風による揺れを低減する仕組みになっている。
フロアを見て行こう。まずは最上階となる50階「ラウンジ」からの眺めから。ラウンジからは、地上200m上からの東京が360度見渡せる。特にJR新宿駅方面(東側)の眺めが良好で、晴れているときは東京タワー、六本木ヒルズ、その先の東京湾まで確認できる。西北側は西新宿超高層ビル群が視界をさえぎるところもあるが、夜になれば夜景がまた見事なことだろう。一般の人は入ることができないのが本当に残念だ。
50階「ラウンジ」から、下へと降りていくわけだが、モード学園コクーンタワーに入る学校は「東京モード学園」「HAL東京」「メディカル総合学園 首都医校」の3つで、約1万人の学生が利用するという。その先端の教室現場を見て行こう。
モード学園コクーンタワー フロアフォトコレクション
このような、きれいで斬新なデザインの教室で勉学に励める学生がうらやましくもある。5階にはアートや広告、医療などのさまざまな書物が閲覧できる図書室が設けられ、充実した学生生活がおくれる環境が整っている。また、タマゴのような形をした別棟には、同学校のファッションショーやセミナーをはじめ、あらゆるイベントに対応できるホールがAとB、2つある。
いっぽう、地上1階には、インターネットコーナーなどもあるカフェ&ギャラリー「BLUESQUARECAFE」が、地下1・2階には、阪急リテールズが展開する「ブックファースト新宿店」がオープン。このように、超高層学校と新たな流行発信スポットを包み込んだコクーンが、西新宿の新たな情報発信地、ランドマークとなることは間違いない。新宿は今、南口・西口・東口、さらには歌舞伎町、新宿三丁目と再開発の流れが著しい。新宿は少しずつだが、再び大きく変わろうとしている。