東京オペラシティアートギャラリーで1日より、写真展「蜷川実花展 ─ 地上の花、天上の色 ─」が開催されている。「好きなものは自由に撮る」との姿勢を貫き、極彩色の作品を次々と生み出す女性写真家・蜷川実花の初期作品から最新作まで約500点を一堂に集めた展覧会だ。入場料は一般1,000円。12月28日まで。

《Noir》2008 (C)mika ninagawa

蜷川実花は演出家で映画監督の蜷川幸雄の実の娘。美大在学中のセルフポートレイトから始まった彼女の作品は、変化する被写体が見せるほんの一瞬を逃さず鋭敏に写し撮ることで知られている。これまでファッション、音楽、広告などさまざまなジャンルとクロスオーバーしており、昨年は人気コミック『さくらん』の映画監督をつとめるなど幅広く活動している写真家だ。

日本の美術館としては初の大規模な個展となる今回の展覧会では、現実の光景を撮影しつつも非現実を映し出す「花」、自らの写真家としての力量を問う「旅」、時にアイドルや女優の決定的ともいえるようなイメージや存在感までも創り出してしまう「人」などの代表作を一挙に展示。さらに、1995年からの初期作品や、花・人物・風景など大小さまざまなサイズのプリントを4つの壁面にインスタレーションする最新作「Noir」など膨大な数の作品によって写真家・蜷川実花の過去から未来への歩みを紹介している。