国内最大規模のデザインイベント「東京デザイナーズウィーク 2008」。ここでは、同イベントで見つけた"逸品"の中から、個性あふれるデザインワークが光るアートウォッチなどを紹介する。
時計王国スイスのステーションクロック「モンディーン」
スイス国内の駅構内3,000カ所余りで目にすることができるというステーションクロックのデザインが、モンディーン社によって腕時計へと受け継がれたのは1986年のこと。以来世界中でロングセラーを記録しているという同ブランドの時計は、公共機関の設備として求められる機能を満たすステーションクロック同様、誰もが見やすい明快な文字盤のデザインが特長だ。素朴にして無骨な印象のバーインデックスをなぞる赤い秒針が、遊び心をくすぐる。現在、製品ラインナップは、腕時計にとどまらず、デスククロック、トラベルアラームクロック、ウォールクロック、さらにはチェーン付きのポケットクロックやマグネットタイプにまで広がっており、価格は2万5,200円~5万9,850円。
各モデル999本しかない超個性派ウォッチ「NUTS COLLECTION」
「NUTS COLLECTION」のコンセプトは、店舗やグラフィックのデザインを手がけるアーティストが、同じ型の腕時計をそれぞれのセンスでデザインするというものだ。横尾忠則氏がデザインした第1号を皮切りに、10年かけてラインナップを充実させ、現在のところ31モデルがそろう。直径3.8cmのフェイスに凝縮された個性は、時計デザイナーではない門外漢ならでは。このうち、ガンダムをデザインしたシド・ミード氏の「essence」や文字盤が鏡になった「Watch me」(ショーン・マクファーソン氏デザイン)などの人気モデルは、すでに世界限定生産数999本が売り切れている。「つくれば売れるが、再生産はしない」というのがNUTS COLLECTIONの企画・製造・販売を手がけるNUTS社のこだわりとのこと。お気に入りを見つけたら、即購入した方がよさそうだ。価格は全モデル各1万7,850円。
ミニマルなデザインが世界12カ国で評価される「normal TIMEPIECES」
プロダクト・インテリアデザイナーのロス・ミクブライドの手で2006年7月7日に誕生した時計ブランド「normal TIMEPIECES」も、ブースを出展していた。特徴は、全モデルに共通するダイアルなしで時を知らせる文字盤デザイン。文字盤が二重構造になっており、手前の文字盤には短針の代わりに穴が開けられている。その穴から、奥の文字盤に印字された数字が覗くというユニークなものだ。一目でそれと分かるこのブランドの時計は、アメリカやイギリス、フランス、ドイツに加え、オーストリアやデンマークなど世界12カ国で販売されているという。価格は2万3,100円~2万9,400円。